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55話 ヒドラと対峙して、スキル強奪を試みます。

ヒドラの攻撃手段は多彩だった。噛みつきや頭からの突進、毒液に毒霧。複数本頭があるので正面防御の有効範囲では正直にどうにもならなかった。


エリナの牽制……積極的に防御範囲の外に出て、俺の正面に誘導してくれる。それと、シルバーの火炎魔法で毒霧が燃やせているのは予想外だった。爆発のようではなく、紙を燃やした時のように瞬間的に炎が広がってガスが消えている、といった感じか。


「シーナ、調子は?」


「少し難しいかも。不死スキルそのものが不滅っぽいから、奪おうとしてもすぐにスキルが戻る。封印してもたぶん上書きされる」


「ふむ、じゃあどこかにスキルを供給するスキルがあったりは?」


不死性を常に上書きしているなら、そういうスキルがあるとも考えたのだが。


「そういう感じではなくて、全部の不死スキルが供給しあってるっぽい。なんというか、複雑に絡み合ってるような……絡まったロープを解くような感じかな?結び目を引っ張りぬいても、ロープは絡まったまま」


イヤホンが絡まって解けなくなっているのを想像する。が、そんな場合ではないか。


「結び目みたいになってる、って言ったよな。でもスキルは動いてる。シーナ、スキルを何かねじ込むことはできるか」


シーナは結び目に例えたけど、たぶん整頓されていない部屋なんじゃないか?と直感が届く。


自分ではどこに何があるか分かるが、掃除したらよく分からなくなる、というやつ。


「たぶんできるとは思う。けど、ねじ込むスキルが……」


「あれだ、道中の蛇から何か取ってなかったか?確か噛みつくだったか。胴体の方にぶち込んでやってくれ」


「ん……やってみる」


盾で突進を受ける。薙ぎ払いのような首振りには一歩下がり、盾を数秒側面に向けて対処。その間にくる正面からの攻撃は、エリナの牽制。


「サマンサ、ねじ込んだスキルに対して封印はできるか」


「大丈夫。封印術は得意じゃないけど、やってみる」


言い終わる前にシーナがスキルを胴体に付与する。即座にサマンサによるスキル封印。


全部位に共通して存在しているスキル……不死、超回復、それから硬鱗。それらのスキルが鑑定表示の上で、塗りつぶしたような見た目に変わる。


「サマンサ、そのまま押さえておいてくれ。重要だからなっ」


「りょーかい」


回復系能力が使えなくなったが、戦闘技能は普通に使えるようだ。


だが、防戦しかできなかった状況からは転じた。


ここからだ。


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