5話 夕飯の時間なので、スキルのお勉強です。
次の話と一本にしようかと考えましたが、内容が結構違うので分割することにしました。
サマンサの曰く、スキルは着脱が出来るらしい。
外せば売買も可能で、結晶の状態で取引される。また、結晶状態のスキルを目視すれば、名前とスキルレベルがわかる。が、効果までは表示されない。
全てのスキルは、13段階にレアリティが別れて、さらにその中で5段階の有用度が割り振られている。どちらも数字が大きい方が高い。
スキルは使い込むとレアリティや有用度が上がることもあり、長期使い込まれて強くなったスキルはとんでもない取引価格がつくこともある。
スキルは、人間以外は種族固有のものが多い。人間は個人個人によってばらつきがあるが、住んでいる場所や血縁等によって偏りが発生する。
同名のスキルは下級のモノをスキル経験値に変換できる。
生物を殺した時は、トドメを刺したものに、確率でスキルが移る。また、確率は動物によって偏りがある。狼は0.3%もないらしい。
そういえば、と思ってスキル欄を確認する。
[爪攻撃/Lv128]
クマを相手にしたときに手に入れたものか。少し念じるとスキル欄から消えて、手のひらに青い結晶が現れる。これが売買できるかどうかもわからないので、もう一度スキル化しておこう、そう考えただけで手の内から消えていた。
平均して5000日に1~2回は「自種族以外からスキルを奪うスキル」が出るらしく、その時はレアスキルが市場に出ることも、あるいは奪われてしまったがために高騰することもあるらしい。
ちなみに物理無効はレアリティ3、有用度は2。
人間なら7割くらいの確率で生まれつき持ってる上に、割と妨害されたり破られたりするらしい。
ちなみに反射系になると、物理も魔法も少なく、また、発動妨害以外のメタスキルが効かない。
例えば物理無効だと阻害、破壊、突破、すり抜けなど通り抜けてしまう。
ところが物理反射だと、上記の4つの中では阻害しか効果がないそうだ。
もっとも、メタスキルもすべてが判明しているわけではないだろう、とのこと。反射持ちスキルを破れる存在がいたとして、バフもデバフもぶち抜いて殺しに来るからおそらく情報は残っていないだろう、と。
暗記は苦手なんだ、とボヤいたら覚えなければ死ぬわ、と言われた。
「そういえば、レベルはどうなったかしら」
「ああ、そういえば見てなかったな…160、全部一律で6000万増えてる」
「ふうん……キリがいいのね、珍しい。そういうスキルでもあるの?」
「はは、まさか」
ない、よな?
サマンサに聞いたが、レベルは212だった。
サマンサ Lv212
HP 232,114,248/240,013,112
MP 48,982,212/200,380,012
力 99,224,888
技量 60,027,474
速度 150,080,898
魔力 320,001,558
防御 90,480,038
魔抵抗 230,001,214
幸運 秘匿
スキル 秘匿
「スキルは教えてくれないのか?幸運はともかくとして」
「幸運はレベルでは滅多に上がらないし、スキルは……あなたを疑うわけではないけど、酔った勢いで話されてしまった、なんてことがあったら困るしね。まあ、そのうち、よ」
「りょーかい。信用を勝ち取れるように頑張らせてもらうよ」
滅多に上がらない、と言われたが俺の幸運は他のと同様に上がっていた。……これは隠しておいたほうがいいか。
自分のカードから、スキルを確認する。鑑定を作動しながらだと、レベル、レアリティ、有用度が認識できた。
[物理無効/Lv42/3/2]
[魔法反射/Lv33/8/4]
[鑑定/Lv8/1/2]
[翻訳/Lv68/6/4]
[頑健/Lv52/4/5]
[神託/Lv18/12/1] ※寝話より変化
[爪攻撃/Lv128/4/1(5-4)] ※人間には不向きである為有用度の低下有
読んでいる間に注釈が追記され、鑑定のレベルが14まで上がっていた。結構早く上がるのか。
ただ寝話……神託が、絶無のスキルではない、ということだ。つまり、そういうスキルがあることを知っている人、欲しがる人がいるかもしれない……ああ、サマンサの秘匿の理由ってこういうのと似たような感じか。
スキルの方は理解できた、と思う。
次はこの都市、第124都市について詳しく聞かなければ。
聞きたい旨を告げると、サマンサはワインを一本追加注文した。OKのサインだと受け取ろう。