39話 結局依頼を受けたので、初めて都市の外に行きます
何時くらいの投稿が見やすいでしょうか。ぜひ教えていただけたら幸いです。
そういえば、この都市から出るのははじめてじゃないだろうか。そんなことを考えつつ、都市内移動のタクシー馬車を利用して西側の門から出る。都市の外までは流石に運んでくれないようだ。
夢の中で神様と話してるのは移動って言っていいのかわからないな……とりあえず起きてるときに出るのは初めてっていうことで。
移動は、俺の速度があればおよそ3日。都市の外に出ればわかる、なんて言われたけど……この距離でもわかるのか。
そう思っていたが、西へ向かう街道、その南側は森林。北側の大きな平地の先に、山が一つ。富士山よりも大きいんじゃないか?ここからの距離はおよそ200キロくらいか。
というか、一日70キロか。徒歩旅行ではないから突っ走ればいいのだろうけれども。
70キロという距離が大したことのないように見えてしまうのはもう末期なのか。
南の森林は、盗賊がアジトを作っていたり、大きな動物や魔物が出たりするらしい。盗賊規模を聞いたら、300人はいるんじゃない?という話だった。食糧事情はどうなっているんだろうな。
ゆっくりのんびり進んでいるつもりだったが、【進む】という目的がある場合、普通に歩いているよりも早く進めるらしい。表記外スキルというやつか。
主観ではのんびりだったが、実際にはそうでなかったという話だ。もしかしたら馬車に乗る必要もなかったかも、と思ったが無意味に疲れるのも困るだろう、と考え直した。
普通の狼の群れ、およそ50匹。例によって無効障壁を貫通したり、火炎魔法を持っているようだ。
街道には出てこず、森林の木陰に隠れたり境目を歩いたり。すぐに襲ってくる様子はない。
一匹だけ青い狼?がいるな。
鑑定によると、名前がハンターウルフ。普通の狼のスキルの他に、[狼の指揮官/Lv152][物理軽減/Lv144][第6感/Lv982]とあった。火炎魔法や無効障壁貫通が『普通の狼のスキル』というのもどうかと思ったが、スキルレベルがおかしい。
まだこっちには手出ししてこないようだ。あの数がいたらこっちもひとたまりがないとは思うのだが。
第6感のスキルで何かを警戒しているのだろうか?
そこで、気付いた。狼が、ハンターウルフが警戒しているのは俺たちではない。俺たちを襲うつもりではなかった。少なくとも今は。
森林の反対側、平野の方から、黒く大きな猪が、岩石の塊と見紛う程の大きさのそれが。
とんでもない速度でこちらに向かってきたからだ。
しかも。それが2匹。
彼らはアレを狩り、ついでに俺たちも狩るつもりだ。
このままでは挟撃されてしまう。何か手を、急いで考えなければ。