33話 新居での1日目ですが、思うところあるようです
寝坊したので今日の投稿数は少ないです。
家の一番の問題、虫発生源となるスキル、もしくは呪いがどうにかなったこと。また、外装は幸運にもほとんど変わることはなく、動力源となる装置は発生しなかったので、長距離から鑑定できるレベルの人がいなければばれないだろう。
予算が想定よりもはるかに安く済んだので、家具をいくつか買いそろえることに。
寝具と話し合い用のテーブルとイス、それから棚をいくつか。
なんで大きなベッドふたつなんですかね……?俺の理性を滅ぼすつもりですか。明日の朝には社会的に死にそうだ。
「酔っぱらってたとはいえみんなで抱き着いちゃったしね。吹っ切れたというか、あなたも雄なんだなって思ったというか」
「やめてくれ、恥ずかしい。恋愛対象や性対象として見ているわけじゃないんだろう?」
「まだわからないわ。私からは庇護欲みたいな感じになってるけども。二人からは聞いていないのでなんとも」
酔った勢いっていうのは怖いのよ?とサマンサは付け足す。
「少なくとも好意と自分の中で誤解する可能性はあるし、そのまま突き進んじゃうかも」
「3人を養っていくだけの労働は難しいかもしれないぞ?」
「3人では済まないかも、なんて」
洒落になってねえ。
「そもそも、……んーん、これを言うのはさすがに恥ずかしいか。自分の気持ちがどっちか分かったら言ってみようかな?」
「何を言われるのやら。姉がいたらサマンサみたいな感じなのかな」
「姉、姉かぁ。まあいいわ。姉さんと呼んでもいいのよ?」
「それは遠慮しておく」
家具の配置を決めながらサマンサとそんな話をした。
俺はとある問題に遭遇していた。
トイレだ。そして現在女子組でシャワーを使っている。
どちらに転んでも尊厳を失うことはほぼ確定してしまっている。夕飯で何か変なものを食べた記憶はないんだが……
こういう時は……シャワーとトイレの水源に関して考える。
もともとこのあたりは上下水道共に通っていたらしく、それを利用させてもらっている。
魔力の籠った石、魔晶石を動力源にして運送し、その石を購入することで上下水道の維持費にあててるとか。
魔力と電気の組み合わせがどうなのかと思ったが、そもそも電撃魔法とかがあるのであんまり気にすることはない、と思う。そもそもまだ蒸気機関だしな。
……よく考えたらまだ蒸気機関なのか。魔法世界だと思っていたがスチームパンクだったらしい。
ダンジョンからエンジンやら歯車が出てくるのは神様の意見としてはどうなんだろうか。
扉が開く音が聞こえた。そして服を着る音。
あと少しでトイレにッ……
「あがったわー」「あがったぞー」
エリナとサマンサが出てくる。もう大丈夫だろう。
急いで向かった先には、
シーナが、これから服を脱ごうとして、今から入ろうとしているところだった。
「え?」
そういえばシーナは、自分の性別をなしだと言っていた。
けれど、本当にどちらでもないなんて、考えたりしない。
「う、ぁ、」
シーナが困惑と恥じらいで声を漏らすけど、
「ごめん、先にトイレに行かせてくれ」
半裸を見たとかよりも、今はそっちのほうが重要だった。