3話 ネコ探しのはずが、非常に疲れました
寝落ちしました。夕方に投稿したかったんですけどね
眠気の中で考える。領地貴族の癒着を防ぐためらしい10年サイクル、機能していないな?
まあ、これは俺が気にしても仕方ないか。一般人が役所の人事に首を突っ込むことなどできないのだ。
「おはよう、サマンサ」
宿から下階に向かうと、もう彼女は食事をとっていた。…だいぶ食べてるな
「魔法は体力を使うのよ」
頭を使うからエネルギー消費する、みたいなものだろうか。いや、それにしてもだいぶ多く見えるけれども。
「今日の依頼は?」
「家から脱走した猫探し。お金持ちのペットだからそれなりに期待していいはずよ。7匹いるらしいけど」
サマンサは、受けた依頼の用紙をこちらに見せるように軽く振る。7匹か。あちこちに散らばってなければいいんだが。
「依頼には猫探しってあったんだよな」
「ええ。間違いなく」
「どう見てもライオンなんだが」
「依頼主は猫とライオンの区別がつかないらしいわ」
6匹の猫と1匹ライオンが一緒に行動していた…いや、猫?1匹は虎の子供かもしれない。やたらデカイし。
というか傷つけずに生け捕りって。
「できなくは無い、かも?あなたに頑張ってもらう事にはなるけど」
「内容次第だな…」
「私が補助いくつかかけるから、あなたは肉を持って走る」
「なるほど馬鹿じゃないか?」
「物理無効障壁あるんでしょ?ライオンには障壁破壊ないから大丈夫…風魔法使うかもだけど」
「怖いなオイ」
とは言え他に作戦も思いつかないので実行に。
速度上昇と認識上昇、それから魔法抵抗補助をかけてもらう。あとは肉を買って、少し切れ目を入れて匂いを…かかった。
依頼主の屋敷に向か…
「はやいはやいはやいっ…!?!」
いきなり自分が超加速した事に驚いたし、ライオンもそれについてくる。衝突事故が起きない事にビックリしている暇もない。
屋敷が見えっ…
肉を庭に投げ捨てる。これでっ…
嘘だろこっち来てる…!
数分逃げ回っている間に落ち着いてくれた様だ。肉の方に夢中になっている。
サマンサが残りの猫を連れてきてくれたので、往復することなく依頼を終えられた。
精神的疲労が酷いことになってる。
あ、サマンサ…報告は頼む…
そのまま俺は、依頼主宅の広い庭に倒れ込んで動けなくなった。