24話 経過観察ですが、何から報告すればいいでしょう
明日は少し踏ん張りたいです。
1000PV超えました。ありがとうございます。
色んな人に見てもらえることをモチベに変えています。
翌朝。
蒸気機関とゼンマイエンジンの出現については、冒険者ギルドで少し話題になっていた。とはいえ、今のところは敵が増えドロップ品が増えたこと、ダンジョンの傾向が一部分とはいえ変わったこと。それくらいしか話されてはいない。もっとも、俺から商人へのコネはないし、この先にどうなるかはわからない。
それと、聞いた話ではあるが、俺たちの引き当てた蒸気機関ほどに出力が強いものはなく、せいぜいがこの世界での20馬力、元の世界の自動車エンジン程度であったし、大きさも倍くらいはあった。
パーティでの相談の結果、しばらくはこれを売りに出すのはやめておこうという結論になった。
高圧で蒸気を噴き出す機構があっても、その蒸気の行き先がなければただの重りでしかない。
だが、行き先があれば話は変わってくる。
最初に動きがあったのは3日後。
蒸気機関を利用した粉砕機、粉挽機の開発だ。
車輪とつなぐだけだから簡単なものではあるものの、燃料と水で、人でがないままに手順が省略できるとして、ある程度の需要が発生した。もっとも、情報も使い方も、つないだ人たちにすらわかっていない。
一酸化中毒や空焚きによる爆発など、少なくない事故も起きた。もっとも、聞いた話から俺が推測しただけで、この街の人がそれを把握しているわけではなかったが。
このあたりは俺たち冒険者の方にも情報が入ってきて、都市のお偉いさんから、現在ある分は買い上げするので、研究が済むまでは新規の売却、およびドロップ品の確保は遠慮してほしい、と言われた、そうだ。
まあギルドの方から間接的な伝言らしいので正しくそう言ったかはわからないが、都市の方が買い上げしたのは確かなようだ。ただし売却しなくても、特にお咎めはないようだ。
3日後、研究機関からの報告が出た。2か月後に情報公開するので、それまでは使用を控えること。情報公開前の事故に関する行政からの保証はせず、周囲に被害が及ぶ場合は賠償責任も視野に入れる。
使用したい民間人は申請をすること、売却は指定の取引店で、機構の鑑定を詳しく行った後に、大きさと機構規模を参照したうえで売却を行うこと。
2か月後って何日後だ?もとの世界と同じで12か月で一年だとしたら、およそ6000日後?
……160日後だそうだ。いや、それでも十分長いが。
安全性を確保するには仕方のないことかもしれないけれど、冒険者たちは2か月も在庫を腐らせるのは嫌だということで、さっさと売りに出してしまった。もっとも、俺たちのほかにも売りに出さないグループはあったが、そういうのは投資目的だろうか。
蒸気機関の方に関しては、ほかにもいくらか報告はあったが重要なのはそのあたりか。
もう一つのドロップ品、機械化加工のスキル水晶について。
国からの発表も、他の冒険者が手に入れたり使ったり、という情報は確保できなかった。シーナにも確かめてもらったが、知り合いの方にも「変なスキル装備」の情報は来ていなかったらしい。
おそらくだが、俺が持っている一つしか存在していない。