18話 斥候が警戒するので、おとなしく言うことを聞きます。
240ものユニークアクセスを頂きました。この作品に少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
今日明日の投稿は6時、7時、18時を目標にしています
ふと不安を覚える。同じ道を進んでいるんじゃないか?と周囲を見回すが、そもそもジャングルなので記憶との違いがわからない。斥候は何もいって来ない。聞いたが回っているわけではなく、単純に次の階段がマップの端まで離れているとのこと。
そういえば聞かず調べずにずんずんと進んで行くがそういうスキルでもあるんだろうか。
聞いたところ、罠探知スキルで階段の位置がわかるそうだ。階段を別のフロアに続く罠、と捉えて進む、若干裏技めいた方法らしい。
偽階段もあるらしいが、階層的にはまだいないらしい。
ちなみに偽階段の先はモンスタールームであることが多いとか。
「……厄介なのが来たからやり過ごす。可能なら地面から足を離れてる状態に……そこの木に登る。3人とも来て」
シーナが若干の焦りを見せながら、木を指差す。
聞いておこう。登って……とっかかりがない、難しい……が、なんとか登れた。
他の3人は魔法か技術であっさりと登っていってしまった。ちくしょう。
「サマンサ、クマに使った幻覚みたいなやつできるか?」
「あれはレベルが足りないから、対象が目視出来て数も4くらいまでじゃないと」
サマンサはシーナの察知したものを見つけたらしくそう告げる。状況から判断するに5,6程度では済まない、と。
少しして見えたのは、大ムカデ。全長は数百メートルあると言われても信じてしまう。
体の厚み俺たちが登った木よりかは無いが、それでも7か8mはあるんじゃないだろうか。
そして、それが近づいてきて気づいたこと。普通のサイズのムカデの群れが大ムカデの形を成している、ということだ。
それが、侵攻ルートにあるあらゆるものを食い荒らしながら進んでいく。集合体より高い位置まで伸びている木は食われてはいないようだが、こっちには来ない…よな?来てもたぶんこの木よりは低いし、登って来たのだけ退治すれば…水魔法を確認したが、あれ全部をどうにかできるだけの水量は難しいか。
こっち来るな…と念じていたのが功を奏したのか、数メートル離れたところを通っていく。
ステータスは……[ダンジョンライブス・ムカデ]。ダメだ。
集合体は魔物として認識されない。そしてただのムカデの群れだ。経験値も殆どないだろう。
ムカデのスキルを確認しようとしたが、流れていく水を見るようなもので、名前以上はわからなかった。
大人しくして通り過ぎゆくのを待ち続けた。
体感的には、数時間以上も待っていたような気分になったが、実際は1,2分程度だったんじゃないだろうか。
早く通り過ぎてくれ、と念じながらその様子をずっと眺めていた。