16話 ダンジョン攻略中ですが、悪くないペースです
今日明日は昼間の更新が難しいので、朝のうちに書き上げる計画。
ブクマや評価ありがとうございます。モチベがもりもりあがります。
数が多い魔物はサマンサの魔法でどうにかなる。あと、微力ながら俺も。
ゴブリン退治の時ほどではないだろうが、それでも大量のゴブリンの群れは水や炎で洗い流す。ついでに焼いたり窒息させたりする。もがき苦しまれるのは見ていて嫌な気持ちになるが、どうせ死体は残らない。
そういえば、魔法と魔術の違いとかはあるのか、と聞いてみたところ、研究メインの行動が魔術、それ以外で扱うことを魔法を使う、と表現するらしい。研究職以外はみな魔法使いと言ったところか。
そんなふうに考えながら、敵に遭遇したりしなかったり、罠付きの宝箱があったり罠がなかったり。罠を発見できるのは当然シーナのスキル。宝箱を目視しただけで罠の種類を当て、解除もせずに開けたのはびっくりした。
やはり斥候職はだいじ。
宝箱の前後をひっくり返し、そのまま開けて、宝箱の前面に落とし穴が開いたのはよくわからなかったが、宝箱の開いた側に落とし穴を開かせる、という使い捨てスキル系の罠らしい。
使い捨てスキルとかあるのか。その辺もまた調べてみる価値はあるか。
ちなみに宝箱内にあったものは、[龍のうろこの欠片(極小)]と鑑定された赤い何かの、小指の爪程度の大きさのものだった。さすがにこの大きさでは売却価値は得られないそうだ。でも名前以外は鑑定失敗したから、持っていて損はないだろう。適当に鑑定をあげて調べてみたい。
呪い付きのアイテムじゃないよな?
ほかの宝箱はミミックだったり紙だったり、かと思えば金貨が何枚か入っていたり。
金貨どころか貨幣が流通していないこの国では、細工が細かい金貨は骨董品やコレクションとして収集価値があるらしい。各地のダンジョンや階層によって細工が異なり、なかなかいい価値をもつのだとか。
そんな風に進みながら34階。食事回数から考えると5日目か。
50まで進むとしたら、帰りのペースは速く済むことを考え12日目までに到達しておきたい、と考えていたのでペースとしては悪くないだろう。
まだところどころに冒険者を見かけるが、挨拶はない。疲れでピリピリしているのはある。
魔物のリセットは計算上一度遭遇したが、特に何かあるわけでも……もしかしたら、ゴブリンの大群とかが該当していたのかもしれない。
今は少し広めの部屋で休憩している。というのも、もう間もなくダンジョンのリセットが入るからだ。べつに壁に飲み込まれたり孤立部屋に送り込まれることはない、とされているが、それでも広めの場所にいることはダンジョンの鉄則だそうだ。
音が響き、床が揺れる。一瞬の光のあと、土壁と陽光を感じるダンジョンは、ジャングルと言って差し支えない空間になっていた。
ものすごく木が高い。いや、あれ上のフロアどころか地上まででてるんじゃないか?という気持ちになった。
階段は縄梯子付きの木に変わっていた。階段の上面は切り株になっている。状況を把握してから、俺たちは再び下に向かい始めた。