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144話 もう一度坑道を潜ります。

管理官によれば、彼自身の権限では依頼を変更することはできない……まあ当たり前のことだ。ここはゴネることはできないし無意味だろう。さて問題は、他のパーティが遭遇していないかとか、遭遇していて討伐できていればいいが負けていた場合に、俺達の力でどうにかできるか、という話だが。

食事を妨害する可能性のある存在と見られるか、食事の対象として見られるかは危険度が段違いである。


そのあたりも考えて、シーナには偵察に集中してもらっている。少しの違和感でも報告してもらう……とはいっても、俺自身の経験が少ないので判断がつけにくい。サマンサに音魔法を、エリナに呼吸魔法を使ってもらい、メモリとシルバーに解析を任せているような状態だ。


俺この状況だと必要なくない? と思ったが、不意打ち一発を防げるだけでも探知を中断し攻撃態勢に移行する時間ができる、とのこと。いや囮役かよ。


「あなたの体力と防御力だったらさっき戦ったトカゲの石弾を4発まで防御無しで受けてもどうにかなると思うけどね」


「いや、それは5匹以上出てきたらダメだってことじゃないか」


「人食いのトカゲだったらたぶん石弾は飛ばして来ないし、さっきのも気づいてから退避する時間はあったでしょ。あなたならどうにかできるって信じているし」


良いように言われてしまってる気もするが、信じていると言われたら期待に応えるしかない。皆がほかの作業に集中しているのは事実であるし、俺がそっちの探査作業をできる技能はないからそうするのが良いのではあるが。


先ほどまでよりも深い場所に、潜っていく。坑道が土魔法で掘られたものなのか、道具を使ったのか、あるいは動物や魔物、魔獣が何らかの理由で掘ったものなのか。俺の素人目では判別付かない……と思ったが、牙らしきものが刺さっている壁もあったので、そのあたりは人が掘ったわけではないのだろう。


「待って、戦闘音が聞こえる。剣と岩がぶつかるような音」


「介入したほうがいいか?」


「そこまでは分からないかな。一応近づいて……近づけるほど道が広くないかも。横幅がどうにも狭いから、共闘を、ということはできなさそう。それでも行く?」


「邪魔にならないように……ってことか。向こうが困った状況になったり、交代を頼まれたら受けるってことでいいか」


「了解、そういう方向で」


小走りで音のする方向に向かおう、としたが、そうはいかなかった。


3mほど先の岩壁が爆破されたように開通し、そこから大きなトカゲが出てきたからだ。口元には乾いた血がていた。


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