140話 トカゲたちと対面します。
リハビリも兼ねてます
トカゲは3匹3種。俺達の目の前にいる。どれも直立していて、先頭のは4m、後ろの2匹は2.5mくらいの身長がある。そして、それに見合っただけの長さの尻尾。振り回されればかなり危険だろうが、群れているならばこの広さならあまり警戒しなくても大丈夫だろう。
先頭のトカゲは『メタルリザード/鋼鉄』。レベルは1849
[物理無効貫通]
[防御無視]
[耐性無視]
[炎耐性]
[熱耐性]
[土石食/吐]
[通電]
[鈍足]
[土類魔法]
……うん、物理無効貫通は当然の権利のように持ち合わせている。おおもとのレベルが高いからスキルのレベルまでは見て取れない。そして、俺のレベルの3.5倍くらいはある。受けてしまえば結構なダメージになるだろう。
後ろのトカゲは『メタルリザード/水銀』と『メタルリザード/魔金』。レベルは633と728で、防御無視はないが他のスキル構成はだいたい同じ感じ。
と、見ている時間はないか。先頭の鋼鉄はもう戦闘態勢に入っている。
そいつは大きく吠えると、石の塊を吐いて飛ばしてきた。
剣の柄と峰側の端を押さえながら側面を充て、受け止めて横薙ぎに振る。普通の剣だったら折れていただろうが、さすがに龍の鱗でできている剣だ。欠ける様子すらない。
峰を押さえていた右手の方は、あまりの衝撃に痺れてしまったが。痛みはあまりないが、30万くらいのHPが減った気がするが……これは、向こうにとって牽制のようなものだったらしく、受け止めたことに驚いた様子もない。そのまま突進してこようとしているッ……!
後方に飛び突進を躱す。が、そんなことは見通し済みだと言わんばかりに奴は身体を振るう。尻尾を打ち付け、こちらの着地を狙い撃ちしようと構えている。
「ま。ずいッ、」
天井方向に剣を振り、その岩天井に剣を刺して自分を支える。
いや、自分でもこんなことできるとは思っていなかったけれども。レベルがある程度上がっていたおかげだろうか。
尻尾をうまい具合に回避できた。腕を振り剣を天井から抜き、そのまま尻尾に向かって突き立てる。
先端30センチくらいのところに刺すことができた。が、そのまま自切されて抜け出されてしまった。
すこしばかりの苛立ちをトカゲの視線から感じる。後ろのトカゲはまだ手出ししてこないようだ。
少し睨みあったあと、先に動いたのは向こうだった。