130話 追跡を警戒しました。
スランプなので投稿速度が落ちます。
追いかけられているかどうかは確認できない……シーナの気配感知系スキルが、水中であることと車内であることにより、地上の様子が探知できないからだそうだ。まあ、川岸はそんなに急な坂道になっているわけでもないので、このまましばらく水中を進んでいこう。食事はおおよそ提供してしまったし、キノコたちやエントの成長を待ったほうが良いのか。
そんなことを考えながらポーチに手を突っ込む。
「うん?」
何かしら、柔らかいようなそうでないような、ぬめるようなものが手に当たった。なんだこれ。
警戒しながら掴み、
「うわっ」
ビチャッて音がした……動いてはいないみたいだけれども。改めて掴みなおす。
「なんだこれ……」
引き上げたそこには、ただの肉の塊としか言いようのない何かが……ああ、これヒドラだった肉の一部じゃないか?放置したと思ったが、欠片の一部でも入っていたのか。
うーん、あー。食料確保手段とか考えずに、ダンジョンの方に向かって家畜ヒドラを何匹か分けてもらえば早かったのかもしれない。今から都市に戻っても、そんなことはもう思いついている連中はいくらでもいるだろう。こっちのほうにまでヒドラ輸送組が来ていなくて、キノコなどで稼げてよかった、と判断しておこう。
「しかし、この塊はどうしようか」
生きたままなので傷んでいる、とかそういうことは考えなくてもいいだろうが……焼肉にでもしておくか。不死スキルは喪失しているみたいなので、切り落としたほうが再生することはさすがにないと思う。適当にそぎ落としてしまおう、と考えつつ、食事準備の時までしまっておく。忘れないようにしておこう。
この車、もしかして水中の方が移動速度が速いのだろうか? それとも何か外的要因が……とりあえず負荷は水中にいる以上はかかっていないみたいだし、気にしないでおこうか……いったん様子を確認するために上がっておいたほうが良いか。
そう判断し、覗き見するように地上に顔を出す。
道沿いではあるみたいだが……しばらく進む方向に、俺達の拠点にしている都市が見える。あと半日といったところか。
都市に入る前に一度食事を取る時間があるだろうか? 少し微妙なところだ。
早めに食べておけばいいか。
ということで、木陰に車を寄せて、適当に野宿飯。焼肉にするのを忘れない。
うん、味の方は微妙だった。