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127話 一晩待った価値はあるのでしょうか。

幼女たちに一晩での作業を命じるのは酷だっただろうか? そんな考えが頭をよぎったが、ファンガス達はあれで成体らしい。もっとも、胞子が寄生したりした場合は、人や獣を覆いつくしたりするらしいが……あいつらのスキルの中に、そういったものはなかった、と思う。逃げだしたりしないように、ということで俺とメモリが倉庫の扉前で番人をすることに。


というか、スキルの方にト書きで動物には無効、と書かれてたから少なくとも直接の害はない、と思いたい。栽培したキノコの方も鑑定しておくべきか。


ああでも、よく考えたらパーティの中にファンガスを食った人がいる。しかも2人。


あの子たちが俺が指示するより先にファンガスを助けに行ったのが洗脳だったりしたら、それはそれで恐ろしいのだが……まあ、2人ともあいつらを見たときに、最初に選んだ選択肢が食用物資としてだから、大丈夫……なんじゃないかな? もし味覚とかに干渉している程度なら……まあ大丈夫なんじゃないだろうか。


あとでファンガスに……いや、こういう時はメモリに聞いたほうが良いか。


「あいつらが寄生できないって話について、どう思う?」


「なんですか、心配してるんですか? レイコクロリデウムみたいに操縦されちゃうんじゃないかとか、ハリガネムシみたいに溺死させられるんじゃないか、とか。そのあたりは大丈夫ですよ。ファンガスの中の黒いやつだけが、動物の皮膚に胞子を付けられます。それでも、動物の脳を操ったりはできません。ちょっと思考を誘導するだけです。追い払うまでもない。共生相手になるわけです」


野生動物なら、ファンガスが寄生している間、他の寄生虫が来なくなるのでわざわざ追い払ったり取ったりする必要もないわけです、とメモリは付け加えた。


「じゃあ、俺の心配は杞憂っていうことでいいのか?」


「杞憂だなんて難しい言葉をよく知ってましたねぇ、褒めてあげます」


「本筋と関係ないところで俺を煽るのはやめろ」


「調べ切っているわけでもないので断言はできませんが、胞子自体に洗脳のスキルに類するものがない限りは、あんまり気にすることは無いと思います」


「そうか、それなら良かった」


倉庫の中から、できましたー、と幼いような声が聞こえる。


一応の警戒をしつつ扉を開けてみると、原木からいくつものキノコが生えていた。


見た目は青いシイタケにしか見えなかったが、鑑定結果は『ファンガススポット』となっていた。


危険なスキルはないか確認したところ、[味がいい/Lv89]のみがスキルとして存在していた。どういうことだ……


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