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118話 復興の兆しです。

街に人が戻りつつある。全員が戻ってきているわけではないが、それでも欠けている人物は、近所の住民同士では、誰がいないか分かるくらいに少なくなっている。


少しずつ復興しているわけだが、この状況で一番求められているのは食料だった。腐ったり魔物が持って行ったりしていたせいで、結構な量が不足している。都市が備蓄していたものがいくらかあったが、それでも5日くらい都市の全員を養っていくのがぎりぎり、だそうだ。


なので、冒険者組合や商業組合に対して、個人、団体、あらゆる場所からの、食料調達依頼がかなりの量届いている。冒険者の方はこれ幸いと狩りに行ったそうだ。


単純に転売するだけでもかなりの利益になるが、動物や可食部位のある魔物たちを取ってくれば、結構な報酬になるんじゃないだろうか?


「ということで、味がそれなりに良くて数がいて、往復5日の範囲にいるような何かはいないか?」


外食しに冒険者の宿に向かったところで食料が足りていないのでまだしばらく食事処としての経営はできない、と言われたために、拠点に戻っての作戦会議だった。


「あー、それなら早馬で片道2日のところに、少し大きな群れがある平原があるから、そこに捕まえに行くのがいいと思う。馬と違って休憩は考えなくていいし、バックパックと家自体に保存できるから、結構一気に運べると思う」


「ふむ、じゃあなるべく早く出発しようか。城門はまだ開いていたっけ?」


「さすがにこの時間はもう開いていない気がするけど……まだ開いていたとして、移動中に閉まる可能性も……ああ、行くんだね」


結果として城門は開いていた。やっぱり運が良い。


「依頼の方にも『可及的速やかに(なるはやで)』っていう文言が多数あったから、やっぱり早いほうが良いだろ。場所がわかるなら助手席で案内してくれよ」


「それより私が運転したほうが都合よくない? 聞いてから移動するよりも、こっちが操縦したほうが早いと思うんだ」


「この前の川岸での衝突事故のことがなければその言葉を信用していたんだけどな」


さすがに人を撥ねることになるのはまずい。というか俺の方も、レースゲームで多少ハンドルを握ったりしたくらいで、こっちに来るまでは運転なんてしたことがなかったのだが、知識があるだけでもだいぶ変わるみたいだ。




うん、街灯がない世界がこんなにも暗いことを完全に忘却していた。


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