112話 城門での打ち合わせです。
城門の兵士達が、他の門の兵士達との通信をするらしい。それまでに報告をまとめ、他の門との交流が終わった後にそれをこちらに報告してくれるらしい。
ということで、俺達や他のパーティからの報告。
「人どころか、動物もいなかったな。でも、ダンジョン出入口の近くに大量の魔物がいた。軍施設も近かったから、もしかしたら武装している可能性もある」
「ああ、それなんだが下手に刺激してしまった、ゴーレム達が組み合わさって、バカでかい壁を作らせてしまった。でも、それ以上は広がらないと思う。それと、見えなくて数メートルはありそうなスキル持ちの魔王が5体はいた」
「こっちは……食料が結構な量、腐敗せず残っている施設があったな。軍のものだと思ってある程度回収してきてるから検品してほしい」
「他に、細かいことでもいい。何かなかったか? 私達兵士では気付けないようなことがあったかもしれない」
「あー、魔物の方はダンジョン産ではないものが多いみたいだ。スタンピードで沸いた魔物はダンジョンの判定から外れるか?」
「いや、ダンジョン生まれが外に出たところでダンジョンライブスのはずだ。つまり、外で増えた……と考えていいんじゃないだろうか」
俺の疑問はほかの冒険者が応えてくれた。
「だそうだ。外で増えてる。外で増えてるにも関わらず、一定の距離以上には離れようとしていなかったな。どう考えても過密状態なのに。ゴーレムの壁の外側には、はぐれたやつらが少しいるくらいだった」
「あとは……私たちの方では特にないかな。気付けるような出来事が何も起こりもしなかった、というのが報告と言えば報告かも」
「こっちは、……ああ、そうだ。さっき動物にも人にも遭遇しなかったといったが少し間違いだ。何かに遭った。そして、何にあったか6人ともが記憶できていない。これは、報告しておいたほうが良いよな?」
「ふむ……それぞれの報告、了解した。他の城門との連絡にはおよそ1時間かかると思っていてくれ。もう一度集合するように呼び掛けるので、それまで解散」
なんというか、なんだ……もう少し、そんな馬鹿なことがあるか、とか言われると思ったが、そんなことは無かった。どんな情報でも精査するっていうことだろう、実質都市が消えてるようなものだし。
そう考えると、ココの兵士たちは強い。レベルとかステータスとか経験とかだけじゃなくて、精神的なものが。
いや、レベルもだいぶ高かったけど。全員2200を超えていた。俺の3倍以上か。
何か進展があるといいな。