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107話 よく考えずに攻撃しましたが。

あの水、38万トン以上あるのか……頭の中で暗算しながら、声に漏らすでもなくそう考えた。いやまあ、直径300メートル、高さ5メートルという目算があっていればという前提だが、不思議と間違っている気はしなかった。


さて、そんな大質量の水の制御を手放したらどうなるか。


他の魔物たちも含めて、一気に洗い流し……魔力の制御を失った魔法水は、1分以内に消失した。消失までに大量の魔物を流し殺したが。これでいなくなる……かと思ったが、範囲外にいた魔物たちが移動してきた。数は減ったのだろうが、そいつらや再出現したやつらも結構いるので、2日もすれば見た目ではもとに戻ってしまうのではないだろうか?


無尽蔵とも思える魔物に対しては、やはり元凶を断つしかないのだろう。


地域にある建物、時計台の屋根の上に昇り、5人と1匹の目視で調査をする。


「ラミアはどこかにいるか? あるいは、会話が通じそうな連中でもいい」


話が出来そうな奴らがいればいいのだが。彼らが協力してくれれば……なんていう、根拠のない期待を抱いているのだが。


増えすぎている、というこの状況は彼らにとっても良くないものなんじゃないだろうか。俺の勝手な考えだが、どうみても数が多すぎるので、居住空間や食料に困っているように見える。


恐らくだが、この規模のスタンピードは、彼らにとっても想定していたものではない、と思う。


予想ばかりで根拠となるものは何もないが。調査と言っても具体的な現状はスタンピードが起きている以外に聞いていない。


「なあ、あれなんだと思う?」


「ん、どれだ?」


猫目を使っていたエリナが、指さして聞いてくる。が、よく見えない。指さしている先に目を向けても、複数種類の魔物たちと、少しの空間があるだけ。


「……だけ、じゃないな。さっきできた空き地にも魔物が詰めかけるくらいなのに、あそこには誰も寄っていこうとしないな。猫目では何か見えたか?」


「んー、あー……バカでかい魔王、だな。たまに見かけてたやつらは、大きくてもカボチャぐらいだったと思うが、あれはどうみても戸建ての家くらいの大きさがあるな。それが3? ああいや、5匹か。ステータスは……この距離では見えないな。でも、結構な数スキルを持っているような気はする」


スキル無しで見えなくなっているのもあるし、襲われていないし、と付け足す。


とりあえず、直近の目標が決まった。




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