106話 探索を始めましたが、どうなるでしょう。
大掃除で投稿頻度が落ちています。ごめんなさい
ダンジョンから魔物があふれてくる、スタンピードという現象があるらしい。塔のダンジョン、地下のダンジョン両方でそれが起こっているのでは? という可能性を門番兵から聞かされた。推測のような発言だったのは、魔物たちの名前に[ダンジョンライブス]の文字列がなかったからだそうだ。
ダンジョンの外で増えた場合は名前が変わるのだろうか? いろいろ断定できない要素が多いので、それに関しても調査という訳だ。
住人の捜索は後回しに、とのこと。まあ、現状で見つけることができても退避する場所もないのだろう。
3つのパーティが、それぞれ少しずつ場所をずらして探索を開始。俺たちは東寄りの経路を辿ることに。
街は恐ろしいほどに静かだ。とはいえまだ軍管轄の地域だったが……それでも、人が住む場所が一切ないという訳ではない。それなのに、気配を感じない。溢れ出てきたという魔物の気配、他の動物や鳥など、そういったものの気配も感じられない。
魔神と契約していた人は、スタンピードのことを危惧して契約したのだろうか? それとも別の危機が?
考えても駄目か。気付いたところで解決手段にたどり着けるわけもないのだ。こういうのは専門家に任せたほうが良い。
雑談をできるような心境でもなく、周囲に何か気配がないかと警戒しながら進む。
「みんな、魔物がいるよ。ゴブリンとかオークとか、数が多いやつ」
シーナが声をかける。数が多いやつという区分はどうなのか。俺自身は探知スキルをまだ手に入れてないから、そういう報告はありがたいが。
「サマンサ、まえにゴブリン退治でやったやつ。できるよな?」
「ああ、あれね。平地だから逃げられる可能性は高いけど、問題なく」
「逃げられるのは問題ありなのでは?」
「全部倒す必要があるわけでもないし、向こうが逃げていくならそれでいいのよ」
こちらの位置を掴むスキルを持っているような奴はいないし、そのあたりは気にしなくてもいいか。
少しの打ち合わせで、サマンサは水魔法を使うことに。
サマンサの全属性魔法で、パーティ全員と一時的にMPを共有して、直径300メートル、厚さ5メートルを軽く超えていそうな水の塊を作る。
それを光魔法で位置を隠し、ゆっくりと降ろす。
大きな範囲で、ゴブリンとオークが圧死、もしくは溺死する運びとなった。