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89.王に呼ばれたらしい

「なんかあの口調のお兄ちゃん変だった」


「酷いな。一応言葉遣いは相手によって使い分けるようにしたんだよ」


 この口調で相手するのは印象が悪かったりする時があるからな。


「ふーん。お兄ちゃん、この後はどうするの?」


「そうだなぁ……。まだ学院は授業中だし、適当にどっか回るか?」


「うん!」


 引っ付かないでいただきたい。当たるから。


「そういえば、お兄ちゃん。お金ってどのくらいあるの?」


「うーん、今は金貨500枚くらいか?一応日本円換算だと500万、くらい?」


 金貨1枚で1万円くらいだってアカネが言ってたからな。


「ほ、本当に!?って言うことはこの服達合計で20万円もするの!?」


 自分が持っていた服の値段を聞いて驚き、落としそうになっている。


「まあ、適当な日本円換算だろうし、そこまで気にする事でも無いだろ」


「気にするなって言うならそうするけど……。むぅ……」


 アカネが言ってた事だから正確な換算になっているのかもしれないが、別に日本円で考える必要も無い。気にする事じゃ無いさ。


「それにしても、お兄ちゃん、ちょっと変わった?」


「自分じゃそんな変わった気はしないが、まあ1ヶ月はもういるからな。何処かしら変わっててもおかしくないだろ」


「そうなんだけど、うーん、なんていうか……うん、まあいいか」


 あ、言うの諦めた。なんなんだいったい。


「お兄ちゃんは学院で教師、やってるんだよね?」


「まあな。一応、これでも良く教えられてると自負してる」


「ふーん。ねぇ、お兄ちゃん。私もその学院、入れる?」


「生徒としてって事か?」


「うん」


 うーむ……。どうなんだろうか。俺の身内だし、いけるのか?学院長との相談だな。


「学院長次第、って所だなぁ。もし入れたとしても俺が副担当してるクラスに入れてもらえるかどうかも分からないし」


 あれ一応アカネのクラスだからな。最近はずっと俺が担当してるが。


「それでもいいよ。私、こっちでも学んでみたいの!」


 ふむ。まあ、そこまで言うならちょっと相談に行ってみようか。


「そんじゃ、学院見学してみるか?」


「いいの!?」


「まあ、休み貰っときながら何してんだってなんかもしれないが、大丈夫だろ。きっと」


 怒られるとしても俺だけだし。


「ありがとう!お兄ちゃん!」


 五和を連れて学院に戻ると、アカネが待っていた。


「あれ?アカネ、書類はどうした?」


 かなりの量があったからそんなすぐに片付くはずが無いんだが。


「いやね、一応、王に報告に行った訳よ。呼んじゃった訳だし。そしたらね、一度会わせろってうるさいのよ。で、会う会わないはその子と家族のシンに決めさせるって言ったんだけど、シンがなんかいきなり休んでる事になってたから待ってたわけ」


 成る程。そんな理由が。


「却下。王には会わせない。五和が何かに利用されたらどうするつもりだよ」


「そうよねー。まあそう言うとは分かってたから。さっきそう言ってきたのよ」


 あら、仕事が早い事で。


「そしたらね、私が会わせたくないからそんな事を言ったんじゃないかって言い出してもう、勘弁。シンを連れて来て直接どっちか言えって」


「かなり面倒くさいな王は」


「でしょう?そんな訳だからちょっと行ってきて欲しいのよ。その子は一旦預かるから」


「おう、了解。あ、学院見学させておいてくれよ。なんか、学院に入りたいみたいだからさ」


「わかったわ」


「え、え、あの?」


 俺とアカネだけで話が進んでたせいで五和がかなり混乱しているようだ。


「俺はちょっと、面倒な奴の所に行ってくる。その間にアカネに案内して貰っててくれ。一応、アカネのクラスになれば、俺が担当みたいなもんだから、良くしてれば入れるかもよ?」


「わかった!わかったよ!お兄ちゃん!」


 五和が扱いやすくて助かった。


「そんじゃ、ちょっと、行ってくるわ」


 "転移・改"を使用し、王都に移動した。

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