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87.妹に説明

「アカネ、今回の事でエリは」


「……大丈夫よ。今回何が召喚されようと一切罪を負わない事を約束させてあるわ。エリに危害が加わる事は無いでしょう」


「そうか……」


 それなら一安心か。後は、五和をどうするかだな……。


「……一応聞いとくが、離れる気は?」


「ないよ!」


「はぁ………」


 まあ家族だし、家決定か……。


「で、問題なのは何があるか、だな」


「シンなら簡単に調べられるでしょ」


「はいはい。五和、一旦離れようか」


「はーい」


 魔法使いに変身し、水魔法の中にある"鑑定鏡"で五和の事を調べる。うわ、これスリーサイズとか出るのかよ。使うの自重しよう。


「お兄ちゃん、それ、どうやってるの?お兄ちゃんってマジシャンにでもなったの?」


 俺がいきなり服を変え、水の鏡を持ってるのが不思議でたまらないのだろう。


「あー、後で説明してやる。アカネ、とりあえず、五和の能力は"物質生成"だ」


「"物質生成"?物を作れるとか、そういうものかしら?」


「まあ、多分そんな感じだろうな。とりあえず、俺は五和に色々と教える。アカネは報告とか色々しておいてくれ。ハナ、悪いがクーとヘレンと一緒に自習監督しといてくれ。お願いな」


 ゆっくりと五和と話し合える場所という事で、家を採用する。"自己空間"でもいいが、そうすると、解除した後で時間が殆ど進んでいない事に五和が気付いて騒ぎ出すだろうと確信しているので、今回は家だ。


「それじゃ、頼むな」


「任されました。とりあえずはクーちゃんとやってますね。一応、ヘレンさんもお願いします」


「あ、はい。わかりました」


「よっし、じゃあ五和、目を瞑ってくれ」


「わかった!」


 "転移・改"を使い、森の家に移動。


「もういいぞ」


「はーい、って、また場所変わってるよ!?」


 まあこの短時間でまた瞬間移動したら驚くよな。それが普通だ。


「さっ、まずは家の中に入ってくれ。ゆっくりとこれまでの事、これからの事を話そう」


 五和を家の中に招き入れ、説明をする。自分が召喚されたのが約1ヶ月前くらいだという事。俺もエリに召喚された事。色々なゴタゴタ、教師、この前のデートまで全て話した。


「お兄ちゃん、本当に1ヶ月前なの?」


「ああ、そうだけど……。もしかして、時間の流れが違うのか?」


「お兄ちゃんがいなくなってからまだ1週間しか経ってなかったよ」


 つまりこっちでの1ヶ月が地球では1週間にしかなってないのか。


「ま、そこはおいおいだな。で、なんか質問は?」


「デート、したの?」


「おう、した。一応また次行く約束もした」


「お兄ちゃんの変態!」


「なんでだ!?」


 なぜそこで変態扱いされなきゃいけないんだ!?


「仮にも教師が生徒に手を出しちゃダメだよ!出すなら妹じゃないと!」


「うん、妹に手を出したら俺は確実に変態のレッテルを貼られるな」


 だけど、まあ、五和の言うことは日本での価値観というやつだ。


「ここはな、日本とは違うんだよ。それに、相手は俺の事を真剣に惚れてるみたいだからな。そこには誠実に向き合って対応したいんだ」


「お兄ちゃん……。なら!私ともデートして!私もお兄ちゃんの事大好きなんだから!」


「五和の大好きは違うだろ」


「ううん、結婚したいの大好きだよ?一人の男性として好きなの」


 …………。やばい、妹が変な事になってる。


「お兄ちゃんを失って初めて気付けたの!私のこの気持ちはお兄ちゃんと結婚したいっていう気持ちなんだって!」


 そんなのに気付いて欲しくなかったよ!


「あー、そのな?流石に妹と結婚というのは……」


「ここは日本とは違うんだよね?創作の世界みたいな魔法とかがある世界なんでしょ?なら!妹がお兄ちゃんと結婚しても、問題無い!」


 うわぁぁぁぁぁ。やっべぇよ……。なんでここまで好かれてるのかすらわからないから怖いよ。


「……わかった。デートはしてやるから、落ち着け。な?」


「うん!ありがとう!お兄ちゃん!」


「はぁ……。とりあえず、学院長には今日は急遽休み入れさせてもらったから、服とか、買いに行くぞ」


「うん!」


 "物質生成"も気になるが、それはアカネやハナ、カズキなんかもいた方が安全そうなので、一旦保留だ。


「えーっと、マリの家は……ここだな」


「うわぁ、凄い……」


 門を通り、服屋何処が良かったっけと思い出しながら着いたのが、マリの家の商会だ。


「いらっしゃいませ……ってあら?あらあら、先生じゃないですか。お仕事はどうなさったんですか?」


「今日はちょっとアクシデントがあって急遽休みにさせてもらったんです。それで、今日はこいつに合う服を何着か選んで欲しいと思って伺いました」


「ど、どうも。お兄ちゃんがお世話になってます。妹の五和と申します」


「あらあら、妹さんだったのね。ヘレンちゃんはどうしたのかって心配していたけど、良かったわぁ」


 あー、まあ確かにこの状況見ればそうなるのか。


「まだヘレンとも付き合ってる訳じゃ無いですけどね。今日はよろしくお願いします」


「はい、承りました。イツワさん、こちらに来て下さい。先生はどうぞ、他の商品でも見ていて下さい。そこまで時間は取らせませんので」


 そう言って五和が奥の方に連れられて行った。ふむ、他の商品か。お、魔法道具があるな。魔法道具って俺は黒結石しか作った事が無いんだよな。何か作りたいとは思っていたし、ここでアイデアを貰おうか。

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