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83.精霊術を教える

「微精霊はちゃんと見えてるよな?」


「はい。セリーヌもちゃんと見えてます」


「よし、ならいいか。精霊術は精霊の力を借りて行うものだ。とりあえずはセリーヌに力を借りよう。慣れるには一番いいだろうしな」


(いいでしょう。私が司っている属性は風です。練習するのは風の精霊術になりますが、大丈夫ですか?)


「俺の方は問題ない。どの属性でも微精霊に力を借りれるからな」


 変身による最高スペックの精霊術師だからこそ全属性の精霊の力を借りれるが、普通なら1種、2種くらいが限界だ。


(人間ですか?)


 だからこういう反応が来るのはまあ、想定の内だったりするわけで。


「人間だぞ。一応な。何にでもなれるけど」


 なろうと思えば精霊にだってなれるんだ。まあどんな姿に変身しようとも人間である事を忘れる事はないから人間だと思ってるが。


「セリーヌ、シン先生の非常識さに驚いていたらキリがないですから慣れた方がいいですよ」


(わかりました。それでは、早速やりましょう。まずは慣れる事ということで魔法を真似てみましょう)


「魔法を真似る、ですか?」


「ああ。その方がイメージがしやすいだろ?例えばこの風魔法の"カッター"を精霊術で再現しようとする。その場合まず必要なのはイメージだ。セリーヌ補助してくれよ」


(もちろん)


「イメージ、ですか。"カッター"のイメージ。風の刃で切り裂くようなーー」


 ヘレンが手を前に出すと、手からピュンッと風の刃が発射され、的に当たる。初回だからか威力はそこまで無かったようだ。


「今のが精霊術、ですか?」


「ああ。魔法みたいだろ?でも自分で何かを消費したってわけじゃないんだ。セリーヌが力を貸してくれたからな」


(まず精霊が力を貸さなければ精霊術は発動しないですからね)


「そうなんですね……。その、力を借りた場合に何かを返したりとか、精霊の力が弱くなったりとかってしないんですか?」


 貸借りじゃなく一方的だからこそ聞いてきた質問だな。


「精霊の力が弱くなる事はない。むしろ使われると強くなるみたいだぞ」


(はい。といっても、強くなるのは微精霊の場合だけですけどね。それと、何かを返すとかそういうのはありません。私達が判断して力を貸してもいいと思わなければ求められても力は貸しませんから)


 微精霊にも意思というものはちゃんと存在している。力がなくて言葉に出来ないだけで。なので、精霊術の行使の主導権は精霊側にあるのだ。


「そうなんですか。良かったです……。でも、それだと精霊であるセリーヌは如何したら力が強くなるんですか?」


(私達精霊の場合は契約をすると力が強くなります。そして、契約をずっとしていればしているだけ強くなるのです。私個人としてヘレンとは長い付き合いをしたいと思っていますよ)


「そうなんですかぁ。私からセリーヌを手放すなんて事はしませんから大丈夫ですよ」


(それは嬉しいですね。末長くよろしくお願いしますよ)


「はい、もちろん!」



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