表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/151

82.直すためには厳しく

 "自己空間"を解いて武道場に戻る。動いてないのになんかめっちゃ疲れた気分だ……。


「よし、それじゃあシン、後は任せたわよ」


「は?どういう事だよ?戻って来たならアカネがやるべきだろ?」


 なんで俺が授業を主体的に進める事になっているのか。俺、補助教師なんだけど。


「私は1ヶ月も学院を出ていたわ。その間に私が処理しなきゃいけない書類とかが溜まってるのよ。昨日は王都に行ってたから出来てないの。そういう事だからお願いね〜」


 ぴゅーっと走り去っていくアカネ。そんな事なら王都に来るなよ!仕事しろよ!


「はぁ……。まあいいや。授業だな。自習だ自習。さっき全員に精霊術使ったけどどのくらい出来るかわかんないからな。自分でどのくらいまでなら大丈夫か把握しながら好きな事していいぞ」


 武闘大会で今の自分に何が足りないのか、自分がよく分かった筈だ。それを練習してもらいたい。


「あ、あのー」


「せんせー!私は何処が悪かったのー?」


 自習と言った瞬間にスズが聞いてきた。自分が悪かった所が分からなかったか。


「練度不足だな。まだ技が自分のものになってない。あまり練習してない技だと体がついて行かず、隙を作ってしまうからな。だからスズの場合は技の練習だな」


「分かったー!ありがとうー!」


「おう」


 他にも問題はあるのだが、まあ練度が十分になってからだな。


「あのー」


「先生、俺に火魔法以外の魔法を教えてくれ」


 今度はレンが俺の所に来た。マリとの勝負での敗因である魔法を学ぼうと思ったらしい。


「魔法ならいつも教えてるだろ。俺はいつも言ってただろ。4種の魔法が使えた方がいいって。それでも頑なに火魔法ばかりやってたのはお前だ。今回そのツケが回ってきただけだ。お前は反省すべきだ。これで俺が特別に魔法を教えてもお前はその魔法と火魔法だけを特訓して後はいいと投げ出す。絶対だ」


「そんなことない!」


「いいや、お前はそうする。今ここで教えてもらい、マリに再戦を挑んで教えられた魔法で虚をついて勝つからだ。それで満足してその二つを伸ばす。マリはあの手この手で強くなってまたお前と戦いお前は負ける。そして、お前は俺のとこかアカネのとこへ行って言うんだ。他の魔法を教えてくれってな」


 レンだからこそ簡単に予想出来る未来だ。今まで火魔法一辺倒だったからこその。


「もし、そうじゃないってんなら今日1日は反省してろ。今までの自分に何が足りなかったか、これからの自分に何が必要か、ちゃんと考えて来い。教えるかどうかはそれからだ」


「……わかった」


 うんうん。素直に引き下がるのはいい事だ。ここで突っかかってきても意味は無いからな。


「あの!」


「ん?」


 さっきから誰かが声を掛けてきているとは思っていたが、対応が遅れた。


「なんだ、ヘレン」


「二刀流と精霊術、教えていただけませんか?」


 ああ、その事か。


「ああ、いいぞ。というか今頼まれなくても教える気だったしな。とりあえず、手数を増やすって事で精霊術からやるか」


「はい!」


 さてさて、先ほど使った感じでどうにか精霊術を教えるとしますかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ