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75.その後の問題

「えー、本来なら優勝者は勇者として認められるというのが今大会の賞品というものですが、今回優勝したのは元々勇者であるシン選手のため、賞金を授与したいと思います」


 おー、金をくれるのか。一応懐事情はそこまで寂しくはないがあるならある分だけいい。色々使えるしな。


「金貨1000枚が授与されます!」


 金貨1000枚ってあれか。確か10人に魔法を教える時に貰えるくらいのやつか。


「ありがとうございます」


「後できれば何ですが、半年後に行われる武闘大会に出て欲しいのです。これは強制ではないのですが、参加していただければ盛り上がりますので」


「ふむ。半年後も多分教師をやってると思うから行ける暇があったらいいですよ」


 未来の事なんてわからないからな。ここでどう答えても変わりはしないさ。


「ありがとうございます!それでは、皆様、半年後にまたこのステージでお会いしましょう!」


 観客の歓声が響き、武闘大会が終了する。この後はどうするか。ヘレンとのデートの続きは確定としてまずはカズキとアカネを会わせてやりたいな。それとハナの問題もある。やるべき事は多そうだな。


「まず手短な所でカズキとアカネか。控え室にいるだろ」


 と、とりあえずアカネを呼ぼうと思い、控え室に行くとそこにはカズキもハナもいた。日本人大集合だな。


「この集まりはなんだ?」


「やっと来たわね。シンには色々言いたいけど、それは後にして、今回の件をまずどうにかしなきゃって事よ」


 なるほど。日本人としての集まりじゃなかったのか。カズキは被害者、ハナは加害者、俺たちも一応被害者側か。


「で?ハナはこれからどうするつもりよ?私達にバレて、負けた。しかも試合ってルールの上だから殺さない方法を取った訳だけど、やる?やるなら容赦はしないわ」


 あー、これはあれだな。カズキっていう明確な被害者がいたのが分かってかなり怒ってるな。


「別にどうもしませんよ。私は私の日常に戻るだけです。学院での日常へ」


「もう私達を狙う気はないと?」


「それはもちろん。私の切り札を使っても勝てなかったんですから奪おうとしても奪えませんよ」


 アカネは加護がどうたらで"憑依"されないらしいし、俺は保険をうってあるから大丈夫だが。


「私達にそれを信じろと?」


「信じられないなら"テイム"で縛ったらいいじゃないですか。抵抗しませんから」


「だってよ。シン、やりなさい」


「はいはい」


 ハナに"テイム"をかける。制約はえーっと禁止級魔法の使用禁止くらいでいいか。他は普通だし。


「これでいいですか?」


「ええ。それともう一つ、学院でのクラスを私のクラスに移動してもらうわ。監視のためにね」


「わかりました。でもそこは先生の仕事ですから私は特に何もしませんよね」


「ええ。それでハナについては終了。細かい事はまた今度聞かせてもらうわ。次はカズキね。カズキって仕事はどうしてるの?」


「僕は冒険者をしてますよ。それにしてもまさかあのアカネさんに会えるとは思いませんでした」


「あ、ありがとう。えっと、よかったらだけど学院で教師をやらないかしら?」


「それってアカネさんやシンさんのいるテラミス魔法学院でって事ですか?」


「そうよ。でも私とシンは担当クラスがあるけど、カズキが入る場合は色んなクラスを周ってもらう事になるけど、それでもいいなら受けて欲しいの」


 色んなクラスって事はカズキの冒険者として何を学んできたかとかを全生徒に教えさせて生徒の質を向上させるって事か。あとは剣技が凄いからそれもかね。剣を使うやつは多いし。


「わかりました。お受けいたします。正直、剣の腕などが鈍っているような感じがするのでお相手も欲しかった所ですし」


 そこで俺の方を向くな。相手するならアカネの方がいいだろ。絶対。


「はい。これでカズキの分も終了ね。これで問題はもう無いでしょ。シン、ヘレンちゃんの所へ行ってあげなさい。待ってるでしょうから」


「今回の事が片付いたら行くつもりだったが直ぐに終わったな。ありがたいよ。それじゃあな」


 これは俺のためってよりヘレンのためにみんなが協力してくれたって感じかね。さて、ヘレンはきっと入り口で待っててくれてるだろうから行きますか。

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