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73.決勝戦③

遅くなって申し訳ありません。昨日色々あって書けなくて……。

「っ、面倒ね!」


「勇者対策に考え出したものですからね。もっと苦戦していただかないと!」


 これでもかなり苦戦してるわよっ。殺害有りのマジのやつならなんてことないのに!


「もう一つ、追加です」


 さらに"重力球"が増える。現在二つだけど、時間をかければその分増やしていくわよね。シンのやつさっさとして欲しいわ!


「っとと」


「視線ズレてても躱すんですね」


 チラッとシンの方を向いただけだ。その一瞬の隙を正確に狙ってくるなんてねぇ。


「私これでも現最強の勇者だからね」


 でも正直今のままだと厳しいわね。あの"重力球"どんな状態でも一瞬で駆けつけて防御してくるから。触れたら重力負荷してくるから攻められない。魔法も自動防御で守られちゃうようだし。しょうがないから1枚手札切りましょうか。


「その"重力球"かなり厄介だけどさ。これも止められるかな?」


「っ、それは」


「あ、やっぱり分かっちゃう?色んな所で本になったりしてるからなぁ。ま、つまりそういう物よ!」


 私が取り出したのは聖剣だ。ゲームや小説、アニメなんかだと勇者が手に入れる聖剣。そういった聖剣にはエクスカリバーやデュランダルみたいな銘が大抵の場合は付けられている。だけど、この私の聖剣には銘がない。何故なら、私が創り出したものだから。


「本で読んだ事がありますよ。あらゆる事象、概念その全てを斬る事が出来る剣だと」


 へぇー、本にはそんな風に書かれてるんだ。でもそれはちょっと誤りかなぁ。そんな剣だったら邪神封印なんてしないで、倒してるから。この剣はただ、時を斬るだけだよ。まあ勘違いしてくれてるならそれでいいけどね。


 スゥッとハナの頬に切り傷が浮かぶ。そして、血が流れ出す。ハナはいきなり血が流れ出した事に困惑する。何故なら"重力球"が一切反応しなかったのだ。自動防御が付いているはずなのに。


「これが、聖剣……!」


 聞くに及んだ素晴らしい性能だと感心し、そして、シンよりも思ってしまった。欲しいと。


「目標変更ですね」


「私に聖剣を出させたんだから目標が叶うと思ってるんだったら大間違いよ」


 む……。あの"重力球"なかなか硬いわね。ただの斬撃だと壊れなかった。


 今、アカネがやったのは過去に干渉し、現在"重力球"が浮かんでいる場所を聖剣で斬ったのだ。その斬撃が今ある"重力球"に当たったということ。


 この聖剣が時を斬る剣だというのはそういう意味だ。過去でも未来でも干渉し、斬った空間に斬撃を残す事が出来る。過去なら直接、未来なら罠として斬撃を活用出来る。


「これでも無理か。やっぱりシンを待つしか無いのね」


 都合4度、斬撃を放った。通常の斬撃、魔力の籠った斬撃、剣技2種類。そのどれを持ってしてもあの"重力球"は壊れなかった。


 この聖剣だが、時を斬るという破格の性能を持っているが斬れ味も破格の性能というわけでは無い。そこいらの剣よりは普通に良いが、名のある名剣などに比べれば劣る。


 しかし、この剣は純粋な斬れ味など殆ど関係ない。例えば今、過去に干渉し、ハナの首がある位置に斬撃を置いてきたとする。それだけで今のハナの首は切れ、死に至る。この剣はそういう剣だ。直接剣を交える必要のない剣。だからこそ斬れ味など関係がない。


 だが、こと殺傷以外で使うとなると話は別だ。この聖剣で物を壊そうとすればそれは当然斬れ味が関係してくる。人より硬い物を斬ろうとすれば当然だ。だから今回"重力球"を壊す事が出来なかった。


「シンー、まだー?」


「あとちょっとだ!もう少し!」


 まだ時間がかかるらしい。今回は殺傷禁止、"重力球"も壊せない。ならこの聖剣どう活かそうか。……うん、ダメね。役立たないわ。"重力球"を避ける事なら出来るし使い所がない。


「聖剣のターンはこれで終わりね。次はーー」


「っよし。後は範囲内だけだ。もう終わる」


 聖鎧でも出してみて反応を見ようかと思ったけどそれはしなくて良さそうね。時間も十分稼いだだろうし、とっておき見せてもらおうじゃない。

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