69.8回戦
吸血鬼にナンバリングは追いつきました。字数は2倍くらい少ないんですけどね。毎日更新頑張ろうとするとどうしても一話あたりの字数が少なくなるんですよね。
「シン選手はノーティスとの試合で剣を使用しています!その腕前はかなりのモノ!対するエリ選手は魔法を得意としておりますが、近接戦にも対応して前大会優勝者のオウガ選手を倒しています。シン選手の剣にどれだけ対応出来るかで勝負が決まるでしょう」
まあ確かにその通りだ。俺が剣を使ったら、の話だけどな。っとステージ外の地面に触れておかないとな。ちょっとした前準備だ。
「おおっと!?シン選手が先ほどとは違う恰好をしております!剣も持っておりません!バトルロワイヤル、3回戦その二つとも違う戦い方をするのでしょうか!?」
今回は、結界術師だ。結界術師で戦うのはきついのでは?と思うかもしれないが、別にきついというわけではない。さらに、エリとは結界術師で戦っていない。だからこそ勝てるのだ。
「あれ!?剣使わないんですか!?」
「だってその動き教えたの俺だろ?そんなんでやったら俺が面倒くさいだろ」
教えてないような動きしないといけないとか縛りプレイしたくないし。勝ってハナの相手をしないといけないし。
「それじゃあ私勝てないじゃないですか!」
「俺だって勝ちにいってるんだからしょうがないだろ」
「えー!?」
ハナの事を抜きにしてもヘレンが見てくれてるんだから良い所見せないとな。
「それでは!シン選手対エリ選手の試合を始めます!始め!」
「むー!私だって勝ちたいんです!だから本気であだぁ!?いったーい!」
始まってるんだからそんなごちゃごちゃ言ってないでさっさと魔法使ってこいよ……。今のは結界を頭にぶつけてやっただけだ。
「私だって!」
やっと魔法を使ってきた。だけどだ。
「なんで!?」
その魔法を結界で囲んでしまえば、魔法が当たるのは結界だ。貫通性がないと魔法の核が結界に当たって魔法は消える。
「んで、こうだ」
空中にいくつも結界を張る。色付きのものと無色透明のものを。
「えいや!また!?」
ま、色付きのものは見えてるからそれを避けて魔法を使おうとするよな。だけど避けても透明の結界がある。それで止めれるわけだ。結界はすぐに修復させるので同じ場所にまた魔法を撃っても結果は同じってわけ。
「むむむ!こうなったらこうだ!」
「甘いな!」
今度はちゃんと貫通性がある魔法を使ってくる。だけどな、それもお見通しなんだ。
魔法が結界に当たるとその魔法は結界を貫通せず反対方向、つまりエリの方に向かっていった。
「私の魔法が何一つとして通らないんだけど!」
今のは"反射結界"。普通の結界と違い、触れたものを反対方向に反射させる力を持っている。魔法だけじゃなく剣など物理にも有効なため活用範囲が多い。
「おいおい、そんな乱射してたら魔力が尽きるぞ」
エリが一発一発じゃなく何度も連続で魔法を放つようになってきた。全て結界に防がれるか反射されるかしているが。
「それと、足下がお留守だな」
「え?……なんで外に!?」
「"転移結界"だ。用意するのに時間は掛かるし、事前に転移場所をマーキングしていないといけない面倒なものだけどな」
開始前にステージ外の地面に触れていたのはこの為だ。
「お疲れさん」
「ううぅ……」
「勝負あり!今回はシン選手の勝利です!なんとエリ選手を完封してしまいました!流石は勇者といった所でしょうか!?それに戦いのバリエーションの多さ!こういった観客がいる場では見る側が新鮮で素晴らしい配慮です!次の試合はどんな戦い方をするのか楽しみですね!それでは次は第9回戦マリ選手対ハナ選手です!」