65.4回戦
昨日更新出来ずすみませんでした。
体調を崩してしまって書くのが間に合わなかったもので……。
雨に打たれながら自転車をこいでいたのが原因ですね。
なるべく体調を崩さないように気をつけます。
「それではエリ選手の紹介を。エリ選手はエルグランドの領主みたいです。魔法の腕前はバトルロワイアル1戦目を見ていただいた皆様なら分かるでしょう」
まあクーには劣るけど魔法は得意だよな。基本4属性を既に使えるし。アンジェリカさんの教えが上手かったんだろうな。
「続いてオウガ選手!オウガ選手は前回の武闘大会の優勝者です!先程のシン選手と同じく勇者であり、優勝候補の一人です!戦闘スタイルは鍛えぬかれた肉体と拳!今回はどんな勝負になるのか、楽しみですね!」
拳、つまりは武闘家だな。俺もたまに使うな。武器を使わないで戦うってのは案外面白いものだからな。っと、エリには悪いがアカネに話さないといけない事があったんだった。
「おーい、アカネ」
一応仮面の女という事になっている為、ボリュームを下げてアカネを呼ぶ。2回戦の時の様子から出てくれないのではと思ったが案外あっさりと来てくれた。
「何よ。……真剣な話なのね?」
「ああ。念話は使えるだろ?他に聞かれたくないから念話で話す」
(まず、あのハナって子が禁止級の闇魔法を使える)
(っ!?それは本当なの!?だとしたら捕らえないと)
(捕らえても無駄だ。禁止級闇魔法には"憑依"がある。誰かに乗り移られて脱出されるのがオチだ)
(……なんて厄介な。でもだとしたら如何するのよ。今回の武闘大会だとそのハナって子は絶対に決勝に行く。シード権があるからね。とすると、勝ち抜いた私かシンのどっちかが相手をしなくちゃいけないのよ?)
(ハナの狙いは俺だ。お前は俺が見られてる事に気付いてただろ?あれはハナだ。つまり、ハナは俺に"憑依"したいんだろうよ)
(まさか、シンの変身能力を狙って?)
(だろうな。それ以外に俺が狙われる理由がない。アカネを少し見ていたのはあれだけの逸話を残した奴だからこっちでもとか考えていたんだろう)
(ちっ……。それで結局どうするのよ?"憑依"ってのは抵抗する事も出来ずに人格を消し去って完全に自分の身体にする魔法でしょう?一応私は加護があるからこの身体は乗っ取られないけど、シンの場合乗っ取られちゃうんじゃないの?)
加護ってなんだ。それがアカネの能力なのかね?アカネの能力を聞いた事がないからわからん。
(俺の場合は"自己空間"を使えば内部設定で無効化出来る。あの中ならどれだけいようと数秒しか経たないからな。後は、創造魔法で何とかするしかないってのが現状だな)
オリジナルの開発は今からじゃ到底間に合わない。"自己空間"を使うとオリジナルは開発出来ないというのが基盤にあるからだ。
(なら、私の方が適任じゃないの?)
(そうなんだが、どうもあのハナってのはクーの前の主人らしくてな。今の主人である俺から色々と言いたい事とかもあるんだよ)
("憑依"の効果範囲は?使えるシンなら分かるでしょ?)
(自分の手で相手に触れている事。触れていない場合は"憑依"出来ない)
(つまり触れさせなければいいってわけね。シンは出来るの?)
(ああ、いける。もし"憑依"されても保険は打っておく。そうすりゃ大丈夫だろ)
(ん、いいわ。なら、私達は本気で戦いましょうか)
(なんでそうなる!?)
この話の流れからして俺に譲ってくれたりする流れじゃないのか!?
(どっちが出ても大丈夫なら私は負ける気なんて無いわよ。これでも負けた事無いですから)
邪神に封印っていう手を使ってたけど、あれは負けじゃないんだな。
(邪神はどうしたって顔してるけど、あれは無効よ。あんなの私の本気で五分五分なんだもの。やってらんないわよ)
(そこまで強いのか、邪神ってのは。封印してくれて助かったよ。ま、いいさ。戦ってやる。俺が勝てばいい話だしな)
(負ける気なんてないから覚悟しなさいよね。ってもうエリちゃんとオウガってのとの勝負終わりそうじゃない?)
「お、本当だ。ま、やっぱエリが勝つよな」
ここからは別に声を出してもいいだろうと思い声を出し、観戦する。ステージ上では今まさにオウガとやらがステージ外に吹っ飛ばされた所だ。
「しょ、勝者はエリ選手だぁぁぁぁ!これは大番狂わせ!前回の武闘大会優勝者が敗れてしまった!」
「エリちゃんって接近戦出来たの?」
「いんや。エリが得意なのは魔法だけで武器は全然だよ。だから接近されても大丈夫なように俺がちょちょいと教えた」
「あんたって本当に色々やったのね……」
「まあ1ヶ月も期間があったからな。色々出来るさ」
ちょっと"自己空間"使ってズルをしたりはしたが。
「ヒカリちゃんも相当良くなってたし、任せて正解だったかもね」
「そりゃどうも」
俺は楽しくやってただけだけどな。
「次は第5回戦!マリ選手対レン選手です!」