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60.バトルロワイアル4戦目

「そんじゃ、サクッと終わらせますかね」


 4番目のバトルロワイアルが始まろうとしている。敵になりうるのはアカネだけだが、ここでアカネと潰しあっても楽しくないのでお互いにこの場では手を出さないと約束をしている。


「最初は侍かね」


 いつもの魔法使いか聖剣士でもいいが、最近ハマっている侍にする事にした。


「それでは、4番のバトルロワイアル開始!」


 司会の掛け声と共に皆が一斉に争い始める。俺の所にも数人まとめてかかってくるが、全部木刀の居合いで片がつく。普通の刀だと加減を間違えたら胴体真っ二つになってしまうために木刀だ。そのせいで狙われているのかもしれないが。


「うーん、潰しあってくれるのは嬉しいが結構時間かかってるな……」


 バラバラに色々な奴が色々な相手と剣や魔法を交えているためになかなか人数が減らない。他の奴を相手にする余裕がないのか大体が1対1の状態になっている。


「ちょっと減らすか」


 木刀を構え、魔力を流す。魔力を流せば威力が上がってしまうので狙うのは武器。


「はっ!」


 居合いを放つ。それだけで場の様々な武器が一斉に折れ、勝負がついていく。


「ま、こんなもんでいいだろ」


 そこからは適当に来た相手を倒しつつアカネの動きを集中して見ていた。勝つために癖などがないかを把握しておくためだ。


 そんなことをしていたらいつの間にか残りが三人になり、バトルロワイアルは終了した。


「あ、あの、すみません!」


「ん?あれ?きみって確か……」


 終了時に俺とアカネ以外のもう一人の子がこちらに声をかけてきた。そしてその子は見覚えがある子だった。


「あの時は名前も名乗らずに去って行ってしまってすみませんでした!私はハナって言います。今日はありがとうございました」


 あの時はって1ヶ月くらい前なのによく覚えてたなぁ。俺は少し気にしてたから覚えてたけど。


「ありがとうって実力で勝ったんだろ。俺に言うことじゃないぞ」


「いえ、シンさんが色んな人の武器を一斉に壊して下さったから勝てたんです。だからありがとうございます」


 ……見えたのか?あれが?ただの一学生が?ありえないぞ。少し、注意しておくか。


「バレてたか。ま、あれは俺が早く終わらせたかったのが理由だからそんな礼なんていらないさ。もしトーナメント式で当たった時はよろしくな」


「はい!私の全力をもってシンさんに挑ませていただきます!」


「楽しみにしておくよ。じゃあな」


「はい!」


 少し、考えないといけない事が出来たために会話を切り上げ、控え室に向かう。その途中に特等席から抜け出してきたのか、ヘレンが待っていた。


「お、ヘレンどうだったよ」


「凄かったです!シンさんの刀捌きはきっと普通の人には見えなかったと思います!」


 それ、自分が普通じゃないって言ってるようなものだぞ。まあ何でもこなせるメイドが普通なわけ無いんだが。


「ありがとな。トーナメント式でも頑張るから是非とも応援してくれよな」


「はい!当然です!ですが……あの、仮面の集団は……」


「ヘレン、あれは気にするな。他人の空似だ。俺たちは俺たちで楽しめばいいさ」


「そ、そうですね!頑張ってください!」


「ああ!」


 ヘレンとも別れ、控え室に到着。トーナメントの準備が出来るまで少し考えておくか。

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