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5.お試しとメイド

 あー、よく寝たよく寝た。起きたらベットから落ちてたけど。


「さてと、やるか」


 朝食に果物を食べながら変身を始める。変身したのは職業系に属するものだ。戦士とか魔法使いとか。一つ一つ把握しておかないといざという時に使えないからな。


 戦士は剣と盾を持って鎧を着ていた。体が一気に重くなって動けなくなる。どうやらこの盾や鎧が重すぎるようだ。


 次は剣士だ。戦士と何が違うんだと思ったら剣だけで盾はなく、装備も胸当てなどの軽めの物のようだ。剣士状態なら動けるが剣は振ろうとしたら重かった。


 次は騎士だ。こちらの装備は戦士と同じような感じだったのだが、一つだけ違った点があった。馬だ。騎馬が変身能力でついてきた。最初に変身した時に乗った状態で変身したのだが、乗馬経験皆無だった俺はすぐに転倒。鎧のおかげで怪我をすることはなかった。


 お次の武闘家はそれっぽい感じの服だけだった。それっぽい事が出来ないかと拳を思いっきり突き出してみれば、そこから空気の弾みたいのが出せた。戦士などと違って重りとなる物もないために動きやすかった。


 そんな調子で魔法剣士や僧侶、神官、遊び人等の様々な職業といえるものに変身していった。なかなか面白い。


 次は魔物系を試していく。最初に目についたワーウルフというのからだ。


 変身すると、全身が灰色の毛に覆われ爪も長く伸びている。凄いな、ここまで変わるのか。


 ん?なんだ?結界がなんかに引っかかったみたいだな。見に行ってみるか。




 あいつって黒ローブじゃないか。隣に誰かいるな。メイド服なんて着てるの初めて見たぞ。ん?なんか隣のやつ変だな。こっちに向けてなんか剣を構えてるような………。

 ちょっ!?


 俺が張った結界斬り破った!?何してくれてんの!?


「あぁぁー」


 ん?声が上手く出せない。ああ!そっか、今ワーフルフだからか。早く変身解かないとって、ちょっ、待て!?


「ふっ!はっ!やっ!」


 結界を斬り破ったと思ったらこっちにまで斬りかかってきやがった!ワーウルフの身体能力で何とか避けながら、黒ローブに止めてもらうように視線を向ける。黒ローブは頭をずっと下げていて、こちらの視線に気づきそうにない。ちっ、駄目か。となると自分で何とかしないといけないか。


 何とかちゃんとしたやつに変身する隙を見つけ出さないといけないな。


「はぁぁぁぁぁ!」


 剣がキラリと光る。剣から衝撃波が飛んできた。あぶなっ!?さっき変身して知ってなかったら今頃真っ二つだったぞ!?だけど今ので分かったぞ。目の前のメイドは剣士だ。剣士が使う技は自分でさっき散々やったから覚えている。


「凄いですね。普通のワーウルフなら避ける事なんてしないはずなのに……」


 メイドが距離を離して独り言を言う。よし!今だ!


 白煙が俺を包み、俺は剣士に変身する。


「あー、あー、うん。よし、ちゃんと声出せてるな。おい、メイド。攻撃してくるのはやめてくれないか?」


 俺が剣士になった途端、メイドの顔が驚愕したように歪んだ。


「ワーウルフが人になった!?いったいどういう事です!?エリ!教えてください!」


「その人は変身能力があるんですよ!さっきのワーウルフの姿はきっと変身能力で変身してただけです!ですよね?」


「ん、そうだぞ。そこの黒ローブの言う通りだ。そんな訳だから剣を向けるのはやめてくれ」


「変身能力?あの?それは本当なんですか?」


「ああ。ほれ」


 再び白煙が俺を包み込んだ。次に変身したのは……。


「ああっ!やめてくださいって言ったじゃないですか!お願いですからすぐに戻ってください!」


 黒ローブだ。


「証明するためなんだから少しぐらい我慢してくれよ。ほら、これでどうだ?」


 メイドに問いかける。さすがに男から女に、しかも目の前の黒ローブに変身したのだ。信じてくれるだろう。


「え、エリが2人!?あ……ああ……」


「おい!?ちょっ!?大丈夫か!」


 メイドがいきなり倒れ伏した。気絶している……。いったいどうしたんだ……。

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