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47.魔法指導

 今度はヒカリの所だ。ヒカリの周りには女性冒険者さんがたくさん集まっているな。


「あ、先生…!助けてください…!」


 俺がこっちに来たのを見た瞬間に座っていた席を立ってこっちに駆け寄って来た。

 なんだ?いったいどうしたんだ?


「皆さんが怖いんです……!」


 怖いって、何がだ?って思って席の方を見てみれば女性冒険者さん全員がギラギラした目でこちらを見ていた。なんだこれ。怖っ!?


「あなたがヒカリちゃんの教師ね!?」


 その中の一人が俺に話しかけてきた。みんなが俺の事をジッと見ている。


「あ、ああ。そうだが、なんか用か?」


 俺が肯定した瞬間、ジッと見ていた女性冒険者さんがこぞって俺の前に並んで頭を下げてきた。


「私達に魔法を教えてください!」


 全員が揃えてそんな事を言った。いきなりなんだ?


「えっと、どういう事だ?」


「あ、えっと、今ここにいる私達女性冒険者計10名は全員魔法が使えないんです!それで、今回ヒカリちゃんと話して既に2種類も魔法が使えるって聞いて教えてもらおうかって!」


 ふむ。魔法が使えるようになりたいのか。まあ別に教えてもいいんだが、そんな一朝一夕で出来るようなものでも無いんだよなぁ。


「教えてもいいが、そんなすぐ出来るってわけでも無いぞ?それにこれは学院外での事だから当然報酬としてなんか貰うし」


「わかってます!とりあえず前金として金貨50枚全員で掻き集めました。お受け取りください」


 おおう。金貨50枚とは。というか俺って金持ってなかったからあんま相場知らないんだよな。って事で隣にいるヒカリにどのくらいか教えてもらおう。


「なあ、魔法を教えるのって基本どのくらいの金貰うんだ?」


「そうですね……。私は金貨100枚で水魔法使えるようになるまで教えてもらいました…」


 おや、ヒカリの水魔法は誰かに教えてもらったやつなのか。


「でも、一人分で、金貨100枚です…。普通なら、10人に教えるとしたら金貨1000枚……。前金とするなら半分の500枚くらいが妥当だと思います…」


 ふむ。なるほど。つまり今回の場合だと10人教えてもらいたいよ!けどお金これしかないよ!前金としてこれ払うから全員に教えて!って事か。ふむ……。


「なんか金額的にはこれだと一人分教えるくらいだっていうみたいだが、全員教えてもらいたいんだよな?」


「はい……。私達は家が貧しくて魔法を学ぶ機会ってのが無かったので、冒険者になるしかなくて……。冒険者でも男とは力の差で負けてしまいますし、魔法が使えないから大物を狩る事も出来ません……。ですので、お願いします!私達に魔法を教えてください!」


 まあ男女で筋力差はあるだろうから負けても仕方ないと思うが、別に魔法使えなくても"スラッシュ"とかの技能で補えばいいんじゃ……って事は口にしないでおくか。


「わかった。いいぞ。教えてやる。そのかわり、今度金貨50枚集めて来いよ。それが条件だ」


「はいっ!分かりました!よろしくお願いします!」


 女性冒険者10名が全員頭を下げる。にしても、ここギルドだったからかなり注目されてるんだよな。


「さて、ならここで飲んでる場合じゃないよな。外行くぞ外。ヒカリも付いて来い。一緒に教えてやるから」


「はい!」


 そして着いたのはレンと一緒に来た誰にも見つからなさそうな場所。なんかこうやって連れ込んでると襲おうとしてると勘違いされそうだな。


「そんじゃ、"自己空間プライベートルーム"」


 真っ暗な空間に転移し、全員が驚愕している。ま、魔法を使ったことがない人からしたらこの魔法は凄いだろうし、使ったことがある人からしても凄いだろうからな。


 で、レンの時は俺は外に出たが今回は教えるため、中にいるしかない。そして、初めて教わる人が最初っからぱぱっと言う事を成功出来るはずはないので、成功出来るまでの時間をヒカリの特訓に費やすという作戦だ。





「はい。オッケーだ。これで全員見事魔法が使えるようになったな」


 中の時間で大体2ヶ月くらいか。ようやく全員が魔法を使えるようになった。早い者で1ヶ月で出来るようになっていたので、これまで機会がなかったのが悔やまれるな。


「あ、ありがとうございました………」


 女性冒険者10名とヒカリも全員肩で息をしている状態だ。魔法を覚えただけじゃ突っ立って使うだろうと思って戦闘での魔法の組み込み方とかも色々レクチャーした。これが外では数秒にしかならないのだから凄いよなぁ。


「ふぅ……。2ヶ月間、必死に頑張ったけど、みんな心配しているでしょうね。いきなり消えちゃったんだから……」


 あ、そういえば女性冒険者さんには説明してなかったわ。


「そこら辺は問題無いぞ。ここの中で数日、数ヶ月、数年過ごしたとしても外に出たら数秒から数十秒しか経ってない事になってるからな」


「あ、そうですか……。もう先生が何をしても驚きません……」


 この2ヶ月で色々やったからな。はっはっはっ。


「って事で、前金で金貨50枚貰ったがちゃんと残りの金貨50枚集めて来いよ?」


「はい。急いで集めてまいります。学院に行けばいいですよね?」


「ああ。そんじゃ、解散だな」


 魔法を解除して元の暗がりに戻る。あー、数秒しか経ってないのに懐かしさを感じる……。


「ヒカリは……疲れてるか。俺の家だな」


 疲れて歩けなさそうなヒカリを抱えて家に戻り、寝かせてやる。もう3人脱落してるが大丈夫か?

 あ、ヒカリは水と光の他に風と土の魔法を扱えるようになったぞ。

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