44.名前を考えよう
黒蛇少女の名前。これを決めるのが今の最優先事項である。
「とりあえず、適当になんか思いついたら言ってくれ。お前はこれがいいって思ったのを言ってくれ」
日本人である俺一人で考えると変な名前になりそうな気がしたため、こっちの世界の生徒達に頼る事にした。
「クロコなんてどうだ?」
「スーちゃんなんてのはどうー?」
「ネストちゃん、はどうでしょう……」
「ペロ」
「……クロイナ」
「スベトラーナなんてどうですの?」
「ロロがいいと思うのです!ミミと同じ感じなのです!」
「ヘンリーなんていいんじゃない?」
「クロでいいと思います」
おお。凄いな。よくこんなすらすらと出てくるもんだ。やっぱ頼って正解だったな。
「で、どれかいいのあったか?」
「私はクロかスーがよかったな。他はない」
他はないって結構辛辣な……。ほらないって言われてがっかりしてるじゃないか。
「小僧は出さないのか?」
「俺か?んー、ならクーなんてどうだ?俺が考えた中では一番まともなはずだが」
だって二つ合わせたものですから。
「ならそれにしよう。私の名前は今日からクーだ。よろしく頼む」
「結局先生のかー」
「私達が考えた意味がないですわ!」
「なんとなく、そうなるんじゃないかって思ってはいましたけどね……」
「ずるーい!」
「……いいと思ったのに」
「しってた」
「先生だからね。しょうがないね」
「初めから先生から名前をもらう気しかなかった気がしましたがまあいいでしょう」
ごめんな。協力させたのに。そのおかげで名前が決まったんだから今度みんなになんかやるか。
「そんじゃ、狩り午後の部始めようか!」
「はーい!」
飯を食って名前決めで腹休めをした俺たちは狩りを続けた。意外な事にクーが魔物を普通に殺してた。どうしてかと聞いてみたら「もう人間として生きる事にした」と割と淡白な答えだった。
「人間としてい生きると決めたが、この"テイム"は絶対解くからな!」
「出来るもんならやってみろ。2重3重とロックをかけてあるから」
「ぐぬぬぬぬ……」
はっはっはっ。果たして"テイム"を解くことが出来るのはいつ頃になるだろうな。まあ解かれても別の手で人に手を出せないようにしてあるから全く問題無しなんだけどな!
「はい、今日はもうここまでだ。定期的にやろうと思うからな」
「はーい!」
空はもうオレンジ色に染まっている。随分長いこといたな。それもこれもクーの所に溜まってた魔物を蹴散らしたからだな。そのおかげで魔物が普通に出てくるようになってかなりの数狩る事が出来た。
「んじゃ、ギルド行くぞー!」