39.家へご招待
本日2話目
そんなこんながありつつも無事、魔物を狩る事が出来た。俺は基本見ていただけで、たまに手助けをしただけだからお金手に入らないんだけどな。
「さて、もうそろお昼だろ。一旦戻るぞ」
そういうとみんなから、えぇーっという声が上がる。そんなに魔物狩りが良かったか。今度から実力を図るために定期的にやってやるか……。
「飯でも食い終わったらまたここに戻ってくるさ。だから戻るぞ。午前中動き回って腹が減ってるだろ」
俺は腹が減ってる。そんなに動いたわけでもないのにだ。なればみんなはより空いているはずだろう。腹が減っては戦ができぬって言うしな。
「先生、それなら家に行くのがいいと思います。近いですし、安全、食材もありますし」
ヘレンが俺の家に行こうと言ってきた。ふむ。俺の家か。まあヘレン達の家でもあるが。まあいいか。俺は金ないから学食とか食えないし。
「ん、そうだな。んじゃ、家に行くか。ちょいと待ってろ」
"転移・改"で行ける場所に俺の家も追加だ。この"転移・改"は全員で転移する事が出来るが、場所は自分で設定しておかないと行くことが出来ない。元の"転移"とのバランスが取れていないと使えなかったのでこんな面倒な事になっているのだ。
「よし。近くに来てくれ。"転移・改"」
瞬間、俺たちの体が光ってその場から消え、次に目に映ったのは俺の家だ。あの"転移"の移動方法は酔うから頑張って変えた。それが最低条件に含まれていたと言っても過言じゃない。
「よし、着いたぞ」
と、振り返って言ってやるとヘレンとエリ以外が驚いていた。
「何今の魔法……!」
「やっぱ先生って規格外だわ」
「なんで森の中に家があるんですの?」
「いやーやっぱり先生すごーい!」
「アカネ先生でもこんな事出来ないのです。凄いのです」
「……びっくりした」
「驚いた」
魔法の事についてもそうだが、家の場所についても驚いているようだった。ま、テラミスのどっかだと思っていたんだろ。
「森の中なら自由に家建てられるからな。あ、安心しろよ。魔物は結界あるから入ってこない」
家の中にあげながらそう説明してやる。まあ結界は色付いてるから見ればわかるんだけどな。
「そんじゃ待ってろ。作ってやるから」
と、俺が料理を作ろうとしていたら……。
「先生、私がやりますので。先生は待っていてください」
「あ、はい」
ヘレンに先を越されてしまった。その言葉にはメイドとしての矜持のようなものが見て取れたのて、素直に引き下がることにしたのだ。
「ヘレンちゃんなんか慣れてる感じですけど?」
「おう。ここに住んでるからな。家事全般優秀だぞ」
住んでいるの辺りでエリ以外が驚愕した。俺もそっちの立場だったら驚いてたと思うぞ。
「一緒に、住んでる?」
「ならあんなにベタ褒めしていたのは……」
「教師と生徒の禁断の……?」
なにやらぶつぶつと話し合っているようだが、何を言ってるのか全く聞こえない。
「ヘレンー。あとどれくらいで出来る?」
「そうですね、後10分はかかります」
「ん、わかった。なら先にやってくるか」
「始末ですよね。余り遅くならないようにお願いします」
「ん、なるべく間に合うように戻る。あ、出来たら先に食べてていいからな」
「わかりました。いってらっしゃいませ」
さて、行くか。午後からみんなが安全に魔物を狩れるようにな。