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37.初狩り

「みんな危ないだろうからあんま離れるなよ」


 自由行動をさせるつもりはない。それで怪我をするならまだしも手遅れになるような事が起きたら問題だからな。


「うーん、おかしいなぁ?」


 レンが首を傾げている。何かあったのだろうか。


「どうしたんだ?」


「いや、俺の感じた違和感っていうんですかね。前に俺がこの森に来た時はこんな静かじゃなかったですし、魔物もすぐ出てきたんですよ」


 ふむ。そう言われてみると確かに違和感はあるな。この森の中に家を移してからもう5日はしたが魔物が襲って来た事は一度もない。肉を食べるのもわざわざ狩りに行って取りに行くくらいだ。その狩りも魔物を見つけるのがなかなか辛いとヘレンが文句を言うほどだった。何か、あるのか?


「……一応、全方位を警戒しとくが、レンも警戒はしといてくれ。あと、ヘレンとシュンにも伝えておいてくれ。金プレートなら索敵もバッチリ出来るはずだ」


「了解っす」


 さて、金稼ぎに来たつもりが何やら起きそうな感じだな……。いざとなったら"転移・改"で生徒達を全員学院の教室に強制的に移動させられるが……。さてさて、どうなる事やら。


「左右各二体」


 シュンが短く警告した。そして生徒達が左右に4:5で分かれた。


「ん、最初は全員でかかれ。あ、シュンとヘレンはサポートに徹してくれ」


 出てきたのは左に狼、右に猪だった。名前は知らん。もうちょっと後で座学で教える予定だったから名前とかは覚えてないんだ。動きや攻撃手段等なら全部頭に入ってるけど。


「やあぁぁぁ!」


 左側では、スズが槍で狼に対して突きを放つ。最近は棒以外に槍を使っている。その突きはまだまだ拙いが速く、一匹の狼の右眼を突いた。

 相方が負傷したのに驚いた狼は一瞬動きを止めた。すぐにスズに噛みつこうと動き出すが、その一瞬が命取りになった。エリが風魔法のカッターを放ったのだ。それが見事に狼の脚に当たり、動きが止まる。そこをレンがしっかりと仕留めた。

 眼を負傷した狼は、スズに反撃をしようとするが、スズは潰した右側に回り込み槍で狼の胴をしっかり捉え上に打ち上げた。空中でもがくしか出来ない狼は格好の的だ。すぐさまミミの魔法の餌食となった。


 右側では、猪の猪突猛進さが仇となってすぐさま討伐されていた。具体的にはマリの鞭で真っ直ぐ迫ってきた猪の脚を引っ掛け態勢が崩れたところを魔法でボンっというわけだ。


「どちらも倒せていますね。ですが……」


「やりすぎ。素材が傷む」


 いつでも手助けが出来るように見守っていたヘレンとシュンからお小言が。金プレートの二人なら素材に傷を付けずいけるのだろうか?


「お前ら二人は素材を傷ませずに狩れるか?」


「出てくる魔物にもよりますが、先程の魔物なら何十匹来ようと全てやれます」


「同じく」


 ふむ。なら次出てきた時には見せてもらうか。今回出番なかったし。

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