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34.ミミ

 あれから5日が経過した。みんなも授業開始時に比べたら少しは成長している。今日は何をやろうかと考えながら教室に入ると見慣れない子が教室にいた。茶髪のショートカットで、顔は綺麗に整っている。少し身長が低い。いつも空席だった場所に座っているから、ミミだったか?その子かもしれない。


「お前がミミでいいのか?」


「はいです。私がミミなのです。それよりも貴方は誰なのですか?見た事が無いのです」


 ミミで合ってたようだ。まあ見た事が無いのはしょうがないだろうな。この学院に来たが金が無いから何かを買う事が出来ないので外に出ないし、家は森の中なのだから。


「俺はシンだ。この教室の先生であるアカネの補助教師って事になってる。今はアカネが仕事でいないから俺が教師をしている」


「そうだったのですか。なるほどです。でもアカネ先生いないのですか……。相談したい事があったのですが……」


 アカネに相談か……。ふむ。


「アカネ次第だが相談出来なくもないな」


「本当なのですか!?」


「ああ。ちょっと待ってろ」


 黒結石を起動させ、アカネに連絡する。


『はいはい。おはよー。どったのー?』


 ミミは黒結石からアカネの声が聞こえたのに驚いたのか椅子からズレ落ちていた。


「おはよう。なんかな、ミミって子がお前に相談事があるんだと」


『あー、ミミちゃんね。おっけー。今そこにいる?』


「ああ。今変わるよ」


「ミミなのです。アカネ先生なのですか?」


『そーだよー。あ、別に石になった訳じゃないからねー』


「そのくらいわかっているのです。それでその相談なのですが」


『はいはい。いつものあれでしょ?お金が無いってやつ』


 金か。学費って事かね。


「はいです……」


『いつもいいって言ってるじゃない。私のクラスの学費くらい全部持てるって』


 アカネってそんな金持ってるのか……。いや、当たり前か。一応魔王とか倒すくらいだし。


「でも、悪いのです。他の人はみんな払っているのに私達だけなんて」


『このクラスは私が勝手に集めた子達だから他の子と違ってていいの』


「でもでも……」


『はぁ……。私は授業を休んでまで学費を稼ぐ必要はないと思ってるんだけど、納得しないんだよね?』


 授業休んでたのは金を稼いでいたからか。


「はいです。通う以上は学費をちゃんと払って通いたいのです」


『それじゃあ、シン任せた!』


 そこで俺に振るのか!?アカネはほんと意味がわからん。


「どういうことだよ。俺に何しろってんだ」


『ミミちゃんが授業に参加する様にさせてよ』


「話は聞いてたから言うがこいつ頑固だろ。授業参加させるには学費をどうにかさせないといけないんだが」


『お金をあげたり貸したりも受け取ってくれないからねぇ。って事で、どうにか早急に稼がせて参加させてよ!あ、これからちょっと忙しくなるから!』


 ブチッと連絡を切った音がした。アカネめ……。面倒事押し付けやがったな……!


「今日はどうするんだ?」


「今日も稼ぎに行くつもりなのです」


「……わかった。だが、少し待ってくれ。正確には授業1時間が終了するまで」


「わかったのです。久しぶりにみんなとお話もしたいから待ってるのです」


 さて、どうやって授業に参加させるかね……。

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