3.衣食住を揃えよう 住
「家ってどう作るんだ?」
衣と住のどちらを先にするかと少し悩んだ結果、住がないとなという結論に至り、家を作ることにしたんだが、家の作り方がわからない。
「ゲームでは……。駄目だ。参考にならねぇ。俺がやってたやつ素手で木をブロック状に取ってたわ」
さすがにブロック状に削り取るような事が出来るのはいないみたいだ。
リストを確認して、家が作れそうな何かがないかを探す。
魔法使いや戦士というのがあるがこれ変身ではなく、転職じゃね?って思うな。
魔法使い、ドライアドくらいか?他は何か違う気がするし。
魔法使いは魔法で家が作れるかもって感じで、ドライアドは木の精霊だし木の家なら作れるんじゃねって考えだ。
とりあえず魔法使いに変身してみた。黒ローブに紫のトンガリ帽子、それに杖を持っている。
この魔法使い、どうやらありとあらゆる魔法を使う事が出来るみたいだ。
情報の中から家が作れそうな魔法を探してみる。1つヒットした。創造魔法というものが。何か魔法を作れるらしい。……やってみるか。
魔法の使い方については魔法使いに変身した時に情報が入ってきたのでなんとなくだがわかる。
「創造魔法・ハウス」
木組みの家を想像して魔法を行使する。地面に魔法陣と呼べるような、円状の幾何学模様が浮かび上がり光を放つ。
眩しさに目を瞑り、光が収まったかと確認の為に目を開けると、家があった。
「………」
自分の頭の中で考えていた家と全く同じ形、造りをしている家だ。
ぐぅぅぅと腹から音が鳴り、体に重さと怠さが襲いかかってきた。
「なんだこれ……魔法使った反動ってことか?」
腹を果物で満たすが、怠さなどは残ったままだ。しょうがないので、1度休憩にしようと思い家に入る。
「家具完備とか魔法すご……」
家の中には家具がしっかりと置かれていた。ベットやソファー、電気がないからつかないと思われるテレビや冷蔵庫など。
全部どんなのか確認したかったが、休む方が先だと自分に言い聞かせベットに倒れこんだ。
ぎゃあぎゃあと外が騒がしくなって起きると、鳥が果物を食していた。
「俺の果物が………」
このままだと今ある果物全てを食べられてしまいそうになると思い、追っ払う方法を考える。
変身した事のある中だと魔法使いが一番対処しやすそうなので、魔法使いに変身する。
「何か攻撃的な魔法……これでいいか」
情報を頼りに適当に魔法を放ってみる。
「風魔法・カッター」
鳥に一直線に風の刃が向かっていき、そのまま鳥が2つに分かれた。
「グロい……」
真っ二つになった鳥から血がダバダバと出て土が血を吸っていく。すまない、鳥よ……。鳥は地面に埋めてあげた。
「……とりあえず、住が出来たけど食を守る対策しないとだな……」