表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/151

24.ヘレンと勝負

「それじゃ、こっからは武道場を使った実際の訓練だ」


 三限の魔法の時間は終わり、四限目になった。ここからは学んだ事を実際にやって掴んでいくしかない。


「とりあえず、そーだな。バランス良くなるように班作ってくれ。今8人だから3・3・2で。2の所には俺が入るから」


 それで出来上がった班がこの通り。


 レン・マリ・シュン

 コウタ・ヒカリ・スズ

 エリ・ヘレン・俺


 まあ、一緒に学んできてた方が連携とかやりやすそうだからこんな風に分かれちゃうよな。しょうがない。


「そんじゃ、まずは班内で1対1な。余る1人は審判役で」


 連携を考えた場合で組んだみたいだが、別に連携させるとは言ってないよ?バランス良くしたのは相手の武器への対処とかの為だし。


「……先生」


「ん?なんだ?」


 コウタからお呼びが。


「……先生との訓練は?」


「それはやるぞ。また今度な。今はその前段階だ。今のままじゃアカネに負けっぱなしだろうからな」


「……わかった」


 納得してくれたようでなによりだ。


「そんじゃ、これ鳴ったら決着付いてなかったとしても終了な。今からスタートだ。始め!」


「エリ様、最初は私にいかせてもらえませんか?」


「いいですよ。頑張ってくださいね!」


「もちろんです。シンさんと会わなかった間頑張った成果を見せてあげますとも!」


 ほほう。俺が王に会ったり勉強してる間にヘレンは頑張って修行してたか。楽しみとともに負けたくないと思えてきたぞ。


「ヘレン今回は剣聖でいくからな」


「相手にとって不足無しです!いきます!」


 ヘレンは俺が変身する前に突っ込んでくる。まあその判断は正しい。実戦でそんな悠長な事してくれる事はないからな。だが!


「随分と早くなったみたいですね」


「ここに来てから勉強ばっかしてた訳じゃないのさ!」


 ヘレンの剣を剣聖に変身した時に装備している剣で受け止める。俺の変身能力は変身したい人は思うだけで、職業系や魔物系などはリストからが今までの変身の仕方だった。しかし今は職業系の中で、剣聖、魔法使い、結界術師、武闘家にはすぐになれるようになっている。使用頻度が高いこの職達の事はもうほとんど隅々まで知っており、回数を重ねたおかげか姿もイメージがしやすく、リストから選ばなくても変身出来るようになっていたのだ。


「先生?本気でやってもいいですよね?」


「ヘレンから先生とか呼ばれるのはなんか変な感じだな……。いいぞ、俺も本気でやるからな」


「ありがとうございます!」


 打ち合わせていた剣を流し、一度距離を置く。本気っていうからにはな。ちゃんと相手をしてやらないと。


「"スラッシュ!"」


「"スラッシュ!"」


 剣に魔力を纏わせ、衝撃波として放つ技だ。変身した時の知識にあったので使えるようにした。


 二人同時に放ったスラッシュはぶつかり合い、ヘレンの方が掻き消え、俺の方のがヘレンに迫っていく。


「"スラッシュ!"」


 ヘレンが二回目のスラッシュを放ち、俺のスラッシュと激突。今度は両方が掻き消えた。


「スラッシュ二発分ですか。面倒な威力ですね……」


「面倒で悪かったな」


 俺とヘレンでは魔力の保有量と制御量が違う。そのため自然とスラッシュの威力も変わってくる。


「やぁ!!」


「おっと、っ!」


 空けていた距離をヘレンが一気に詰め、回転斬りをしてきた。見た事のない攻撃方法に驚きつつもガードし、反撃しようとした瞬間、両手持ちしていた剣を右手持ちに変え、左手に小太刀を持った目に映る。そして、回転斬りの回転のおかげで左の小太刀で斬りやすい姿勢、距離まで詰められている。


「はあああ!!"スラッシュ!"」


「ちょっ」


 もの凄い至近距離でのスラッシュを放たれる。普通の小太刀の斬り払いならば対処出来たが、スラッシュは無理だった。俺はスラッシュを受けて吹っ飛びヘレンに負けた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ