19.自己紹介
火曜までテストです。
多分、次の話は火曜以降になると思います。
さて、俺が担当するクラスに着いた訳だが……。エリ達がクラスメイトを知らないように俺も一回見ただけで全く知らないんだよな。
「ま、入るか。二人も一緒に入ってきていいぞ」
教室は日本にある学校のものと基本変わらない内装をしていた。一つ、違いがあるとすれば特別学級みたいな感じで席が少ない事だろう。9つの席があり、そのうち6つに生徒が座っている。
入ってそのまま教壇の上に立ち、エリ達も俺の横に立つ。
「あー、俺はここで担当しているアカネの補助教師だ。名前はシン。適当に呼んでくれ。それで、アカネだが勇者としての仕事が入ったらしくてな。帰ってくるまで俺が教える事になるからよろしく」
俺の言う事に特に驚いた様子を見せない生徒達。アカネが頻繁に仕事に行ってるからかな?多分、それもあるけど、エリ達に視線が向いてるから二人が気になるんだろうな。
「そして、編入生の紹介だ。ほら自己紹介しろ」
「エリと申します。よろしくお願いします」
「ヘレンと申します。剣が得意です。エリ様のメイドも兼ねています。よろしくお願い致します」
二人がぺこりと頭を下げて挨拶をする。
「二人の席はあそことあそこだな」
空いている3つの席のうち窓際で一番後ろの席と廊下側の一番後ろの席を指す。
「分かりました」
エリが窓際に小走りで行ってしまったので、ヘレンが廊下側になった。
「あー、そんじゃあ、ちょっと自己紹介してくれないか?俺今日初めてだからそこのレン以外名前も分かんないんだ」
レンは教壇の一番前の席に座っていた。分かりやすくて助かるね。
「私はマリですわ!」
「俺はレンだ」
「……コウタです」
「スズですー」
「ヒカリです……」
「シュン」
一番前、廊下側から自己紹介をしてもらった。名前覚えられるか不安だな……。
「そこの真ん中、エリとヘレンの間の席は誰なんだ?今日は休みなのか?」
「そこは事情があってたまにしか来れない子だ。ミミって言うんだ。覚えとけよな!」
レンから答えが返ってきた。事情ねぇ。まあ、詮索はしないでおこう。面倒事だったら巻き込まれたくないからな。
「それじゃ、授業始めるか。と言っても、俺引き継ぎとか何もしてないからどんな授業なのかとか、今何やってるのかとかわかんないんだよな」
「最近はずっと武道場で実戦形式の試合やってたけど」
うげ……。あの時やってたあれか……。正直面倒くさいんだがあれ……。まず多対一なんて俺に出来ないぞ。やり過ぎるか簡単に負けるかの二択にしかならないと思う。
「実戦以外は?」
「魔法関係は魔法を合成させるところですわね。剣術、武術等は元々やった事がない子でも少しは出来る、といったくらいですわ」
ふむふむ。体動かすのばっかだな。
「座学はどうなんだ?」
「座学?やってませんわ」
なん………だって………?