17.再会
学校のテストまで後4日という日数になりまして、更新が滞ります。
高校3年にとって今回のテストは非常に大事なので……
翌朝、リーさんから呼び出しがかかった。一体なんだと思って急いで学院長室に向かったら編入生についての事だった。
「それで編入生ですが……」
「エリとヘレンですよね?」
「へ?あ、はい、そうなんですけど。なんで知ってるんですか?」
「昨日本人から連絡がありましてね。編入生がその2人だって知った時は驚きましたよ」
「せっかくのサプライズが……。アカネさんに伝えておかないとですね……」
やっぱアカネなのか。今回のはありがたかったけどな。
「それで、エリとヘレンはどのクラスになるんですか?」
アカネの補助をする訳だしアカネのクラスだと嬉しいんだが。
「前回の会議、聞いてました?」
「すみません……。あの時は徹夜明けで……」
あの会議の時に言ってたのか!?あの時しっかり聞いとけば良かったよ!
「編入生は二人ともシンさん、あなたのクラスですよ」
はい?俺のクラスだって?
「待ってください。俺、クラスなんて持ってませんよ?しかも俺の役割ってアカネの補助だったはずじゃ」
「あー、それなんですけどね。実はアカネさんは昨日の夜から本業の方に行ってしまいまして」
本業のっていうと……勇者か。
「勇者が出ないといけないような問題が発生したんですか?大丈夫なんですかそれ?」
「大丈夫ですよ。命を落とす事はないらしいので。被害も早く行けば行くほど少なくなるらしいですし。それで、仕事の方が少し長引くかもしれないらしいのでアカネさんがやっていたクラスをやっていただこうかと思いまして」
アカネよ……。その仕事、俺じゃダメだったかな……。正直、初授業からアカネ無しとか上手く出来る自信がないぞ。
「アカネさんのクラスの子達は優秀ですから問題無いと思いますので。人数も他のクラスと比べたらかなり少ない方ですし」
そういえば、武道場でアカネが相手にしていた生徒は6人くらいだったような。あれで全員だったのか?
「そんな訳なので、よろしくお願いします。アカネさんのクラスは知ってますよね?」
「はい。わかります。それで、エリとヘレンは何時頃こちらに着く予定なんですか?」
「予定ではもうすぐのはずですが………どうやら来たようですよ」
バタンッと学院長室の扉が勢いよく開き、見覚えのある3人が入ってきた。
「失礼します。アンジェリカです」
「エリです」
「ヘレンです。よろしくお願いします」
エリはいつもの黒いローブを、ヘレンとアンジェリカさんはメイド服を着ていた。たった数十日離れていただけだが、どこも変わっていないようで安心した。
「あっ!シンさん!本当にいました!」
エリが俺に気づき、駆け寄ってくる。
「おう、俺だぞ。案外早い再開になったな。元気にやってたか?」
「もちろんです!」
元気よく答えてくれた所で、ヘレンからお叱りがかかる。
「エリ様、ここは学院長室です。学院長に挨拶するのが先です」
公私混同?しないのは流石ヘレンだなと思う。俺も会ってはしゃいでしまったので、後で学院長にでも叱られる可能性があるな……。何たって目の前でやっちまったし……。
「どうも。テラミス魔法学院学院長のリーです。お久しぶりですね、アンジェリカ君。まさか君が一緒だとは思いませんでしたよ。口調もいつも通りにしてください。やりづらいですから」
学院長とアンジェリカさんは面識があったのか。世界は広いようで狭いな。まあ俺の場合はこっちの世界だと行動範囲が狭いから世界が広いとは思っていないんだが。
「そうかい。なら戻そうか。久しぶりだね、リーにシンさん。今回はすまないね、いきなりの編入だなんて。手続き大変だったろう?」
俺はそこら辺の手続きなんかは全く分からないためお久しぶりですとだけ答えておいた。
「いえいえ。突然の編入に関してはもう慣れたものですよ。アカネさんが仕事に行くと必ずと言っていいほど連れてきますからね」
何やってんだあいつは……。まあ仕事っていったら勇者として行く訳だし、なんかに巻き込まれたとか理由があっての事だったりするんだろうけどさ。
「それにしても、本当にシンさんがいるとは思わなかったよ。私は勇者様から直接話を聞いてなかったから半信半疑だったんだ」
「アカネが伝えたのってエリとヘレンだけだったんですか。半信半疑だったなら連絡してくれれば良かったのに」
アカネよ。編入させたいのならアンジェリカさんに言っておくべきだったぞ。その方が早かったと思う。
「連絡しようとしたら二人に止められたのさ。それに二人を編入させるのに色々とやったり忙しかったからね」
なるほど。そんな理由があったわけか。
「さて、そろそろいいですかね。シンさん、エリさんとヘレンさんを連れて教室に行ってください。もうすぐ始まりますからね」
「はいはいっと。それじゃ、行くぞ、エリ、ヘレン」
「わかりました」
「はい!」
俺は二人を連れて自分がこれから何度も使う教室を目指すのだった。