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15.模擬戦

 今回、俺が変身したのは聖剣士だ。職業系レパートリーの中の強いとも弱いとも言えない普通のラインだ。剣士の上であり、剣聖の下、中級職のようなものだ。


「これで相手をしてやるよ」


「ちょっと!シンが相手をしたってこの子が勝てる訳無いでしょ!少しは考えなさい!」


 ……アカネがそれを言うのか?


「生徒にとっては、勇者を相手にするよりはまだ勝率高いと思うんだが……」


 今回は負けてやるつもりは無いけどな。


「うん。先生と相手するよりはこっちの人の方が勝てる気がするよ。ま、さっきのが見えないようじゃ圧勝だけどね!」


 いちいちむかつく事を言う奴だな。そんなに言うなら。ほれ。


「おいおい。どうした?今のに反応出来なかったのか?」


「っ……」


 先程こいつにしてやられた事をし返してやった。寸止めや加減の仕方なんかはヘレンやアカネとの打ち合いで学ばせてもらったし、聖剣士の俺なら楽勝で出来る。


「やるぞ。形式は寸止めだ。降参あり、場所はこの武道場内。外に出た時点で負けだ。異論は?」


「ない。審判は先生お願いします」


「はぁ……。わかったわ。シンは後で話があるからね」


「……」


「二人ともいい?それじゃ、始め!」


 始めの合図と共にレンが走り出し、俺に剣を振ってくる。どうみても寸止めをするような感じではなかった。俺は剣で受けながら聞いた。


「どうみても寸止めじゃないんだが?」


「このくらいならどうにか出来ると思っての事だよ!」


「おっと」


 打ち合っている剣を引いて回転斬りをしてきたので後ろに下がる。

 アカネは審判のくせにレンの行動を特に注意したりしない。いいのかそんなんで。


「"火球"」


「ちょっ」


 レンが火で出来た球を放ってきた。こんなとこで魔法とか使っていいのか!?


「おい、アカネ!魔法って使っても大丈夫なのか!?」


「武道場内は大丈夫よ。外に出て使うと校舎が壊れるけどね」


 ちっ。相手がアカネだったから魔法を撃ってたわけじゃないって事かよ。こんな事ならルールで禁止にしとくんだったよ!


「あ、シンは使わない方がいいわよ。もしかしたらがあるかもしれないからね」


 こっちは禁止かよ!?


「あーもー!さっさと終わらせるからな!」


 離した距離を一瞬で詰め、剣狙いで剣を思いっきり振りかぶる。レンは下がって対処、再度火球を放ってくるが、火球は直線にしか進まない。レンの身長的に火球は胸辺りに来るため、しゃがみ込むよう姿勢を低くしクラウチングスタートのように走り出せば簡単に避けられ、距離を詰められる。


 刀身ではなく柄でレンの胴を触れるようにした時点でアカネが言う。


「勝負あり。シンの勝ちね」


「っ……」


「ふぅ。ま、なかなかやるじゃないか。このまましっかり頑張れば強くなれるだろうな」


 レンの頭を撫でながら言ってやる。こういうのは負けた時凄く悔しいものだ。ヘレン相手に何度も味わったからわかる。


「俺の、負け、だ。ありが、とうございました。ごめん、なさい、シン先生」


「おう。こっちこそありがとうございました。悪かったな、突っかかって。よかったぞ」


「私のクラスで一番強いレンにサシで勝てるようなら複数人相手にしても大丈夫かもね」


「おい、俺に何やらせる気だ……」


 俺にそこまでの余裕は無いっての。剣聖使えば出来ないことはないかもしれないが、あれは生徒が勝てる要素が無くなる。というかレンは一番強かったのか。


「強いといっても剣と魔法両方使わせたらの話だけどね。片方ずつなら他が上にいるわ」


 ふーん。それで一番ってことはなかなか動きが良いって事じゃないか。


「紹介は明日してもらおうかね。身体動かした事だし、魔法の練習して俺は仕事でもするよ」


「わかったわ。はい。それじゃあ今日の授業はここまで!各自帰るなり自習するなり好きにしていいわよー」


 授業もここで終わりにするのか。


「それじゃ、授業も終わりにさせた事だし、魔法の練習付き合ってあげるわ」


 そっちが目的ですか………。


「シンは創造魔法が使えるから練習台に丁度いいのよ」


「やっぱお前人間辞めてるって」


 普通の人はそんな事言わないからな。

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