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137.切り札

面接終わったんで更新ですけど、次の話までまた時間空くと思います。まだ結果がどうだったのか、わかりませんから……

 頭の中で警鐘が鳴り響き、咄嗟に右に避けると、自分の頭があった位置に今まさに爪が振り降ろされていた。避けられたのは奇跡だろう。


「まっず」


 "モード・アクセル"を再使用し、先程までの浅はかな考えを改める。


 ユズキの言った通り、紫色の手ーー人工精霊は手札の一つに過ぎなかった。


 明らかに今の獣の姿が切り札だろう。速度が段違いに素早い。避けたと思っても必ず傷が付いている。


 魔法の創造と"モード・アクセル"の長時間使用により、体力もそれなりに危険な状態にある。


 完全に獣の姿だが、しっかりと人間に戻せると仮定して殺さずに倒す。


「切り札だっ!"時間停止"」


 瞬間、周囲の全てが動きを止めた。目の前の獣も、アカネ達も、アカネ達が相手にしていた魔族も。


 "時間停止"は名前の通り、時間を止める魔法だ。だが、この魔法は保って数分、使用した後は反動により動けなくなる。


 他にも魔族がいるこの状況で使用したくはなかったが、目の前の獣が手に負えない状態になってしまったのでしょうがない。


「さて、この数分間でこの獣をどうにかしないとな」


 まずは獣状態の解除をしなければならない。この状態で人間に戻したらどうなるかわからないからな。


 精霊による変化ではないので"メタモルフォーゼ"を使用し、変身を強制解除しそこからさらに時間差をつけて魔族から人間に戻る魔法もかける。


「こっちは多分、これで大丈夫なはずだ。後は、あっちか」


 アカネ達の方を見れば、だいぶ手こずっているように見える。カズキとアカネが前衛、クーとハナが後衛、五和がそのさらに後ろといった感じだ。


 五和にはやっぱりまだ早かったか。だが、"自己空間"での修行によって五和の実力はそれなりに上がっており、"物質生成"を使えばかなり凶悪な攻撃だってする事が出来るようになっている。


 "時間停止"の残り時間も後数秒みたいだ。魔族をどうにかしたかったが、無理だな。


 だが、まだ数秒ある。数秒のうちに、出来ることだけはしておこう。


 そうだ、聞こえないだろうが、言っておかないとな。この状況で活路を見出せるのは五和だけなんだから。


「五和、俺は大丈夫だ。後は任せたぞ。頼りにしてる。お前なら、出来るさ」


 言い終わると同時に、身体に反動が襲いかかってくる。悲鳴も聞こえる。五和の声も聞こえる。でも、何も出来ない。強制的に俺という意識は手放された。

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