表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/151

134.強敵

「どうやら、敵さんのおでましらしい」


 修行をひと段落させ、"自己空間(プライベートルーム)"を解除すると、こちらの方へ向かってくる翼を生やした人型が見えた。女性2人。見覚えがある。エネドラの記憶の中にいた強い敵の内の2人だ。


「捕捉完了。敵です」


「雑魚は任せといてー。私が殺っておくから。『ラストキー』の確保よろしくー」


「任されました。行動開始です」


 おや、いきなり仕掛けてくるか。


「まあ、とりあえずそれを突破してみてくれ」


「これは……なんです?」


「私は知らないかなぁ」


 来ると分かっていて罠を張らないわけが無い。罠は鏡と反射結界を織り交ぜたものだ。それを俺たちを包むように展開している。基本、何をしても反射するため、突破するのは難しい。だが、敵ならやってくるかもしれない。その間に準備をする。


「アカネ、聖剣と聖鎧準備。魔剣はいつでも出せるようにしとけ。ハナは重力負荷をこの一帯にかけろ。カズキは敵が罠を突破した瞬間を狙えるように攻撃準備。クーはあの2人以外に敵が来ないか周囲の警戒。五和は、危なくなった時、いつでもアレが使えるように構えとけ」


 指示を飛ばしつつ、俺も周囲の警戒しながら目の前の敵を観察する。


 エネドラの中の記憶にあった3人のうちの2人。男の奴がいないので、どこかから奇襲を仕掛けて来るかもしれない。そしてこの2人、1人は俺が受け持つとしても、もう1人を他に任せるのは難しいかもしれない。


 紫色の手を2本、3本と同時展開させて罠を破壊しようとしている。エネドラやユグシル、他の奴だって今まで紫色の手は1本しか出して来なかった。ここからもう強敵だとわかる。


「カズキ、いけるな?」


「はい」


 紫色の手が何本も出現し、束ねられているのを見て、これは壊されると判断し、カズキに初撃を任せる。


 パリンッと鏡が割れる音がし、罠が破壊された。


「"精霊術・暴風一閃"」


 カズキの精霊剣技が放たれ、敵2人に当たる、という瞬間にそれは霧散した。


「ちっ。そっちで1人任せる。アカネ、頑張ってくれよ」


「そっちこそね」


 アカネ達では相性が悪そうな霧散させた方を相手取る事にする。どうやら相手もこっちとやってくれるようだ。


「俺なんか無視されると思ったんだが?」


「最初は無視をしようと思いました。しかし、あの障壁の事も考えると障害になりかねませんので、先に始末しようかと」


 なるほどな。ハナを狙えばそこを狙われると分かってるわけか。


「名前を聞いてもいいか?」


「ユズキです。それでは、死んでください」


 ユズキとの戦いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ