131.情報収集
特訓もそこそこにして、アカネに神殿まで"転移・改"で送ってもらい、変身能力で忍に変身する。
「それは初めて見るな」
「まあ使う事が無かったからな。何処かに潜入なんてする事なかったし。そんな事より早く入れ」
クーに影に入るように即して、隠密の技能を使用して神殿内に侵入する。
(これはまた……いかにもという風に変えられているの……)
神殿入り口や邪神を封じてある祭壇まで行く道は特に変わった様子はないのだが、少し逸れて歩いてみれば、いかにも邪神を崇拝してますといった感じの装飾や像なんかが置かれていた。
これは真っ黒だな……。とりあえず、人目に付かなそうな場所に誰か一人誘導するなり拉致するなりして記憶をいただかないとな。
(だが、難しいぞ。こいつら、常に複数人だ。方法は何かあるのか?)
クーの言う通り、この神殿内にいる人間全てが必ず複数で行動していた。情報を引き出すにしても頭に手を添えていなければいけない。そんなことをしていたらもう一人に何かされるのは必至だ。
クー、2人の奴らを狙うとして、片方を影で縛って動きを封じる事は可能か?声も出させないようにするのは。
(無理だの。私はそこまで影の扱いが出来ている訳ではないからな。影の中から魔法で射撃する事なら出来るぞ)
ふむ。なら俺がやるか。クーは警戒頼む。
(了解)
誰も隠密には気付かないため、背後を取るのは簡単だった。忍術の土遁で教団員の足下に穴を開け、その先に1部屋分のフロアを作り出す。その後に風遁で空気の壁を作り出し、声が外に届かないようにして、クナイを教団員の影に投げ、"影縫い"を発動させる事で行動させないようにした。
「後は空気穴だけ残して穴を塞いでっと。これで隔離成功だな」
"影縫い"だけでは不安だったので結界術師の結界で"影縫い"が解けたとしても動けないように身体を固定化させた。
(見事な手際だな……)
「さてさて、それじゃあ情報を貰いますか」
ふむふむ。なるほどねぇ。多すぎてダメだわ。メモしないと。
「げ……。マジか……」
(どうした?そんなにまずい情報が得られたか?)
「いや、街の中全員邪神教団とかいう頭がおかしい所があるらしくてな……」
(それは、なんとも……)
その街に邪神教団じゃない者が入ったが最後、出る時には邪神教団の一員になっているらしい。とりあえず、早々に潰さないといけない場所だな。
「他にも点々とアジトがわかった。どれも巧妙に隠されてるな……」
わかっただけでも数個はアジトが判明した。メンバーも中々いるようだ。
「こいつからはこれくらいか。さて、それじゃあ次々やっていきますかね」