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127.ついてくる妹

「何を話していたんですか?」


 ヘレンがそう聞いてきた。何で俺がアネラとセリーヌと話してたの知ってるんだ?


「お兄ちゃん、流石に身体が急に透けたら何かしたんだなってみんなわかると思うよ?」


 あー、精霊に変身したのが、バレてたのか。けど、話してた内容は言えないんだよなぁ。


「あー、済まん。話せない。話すなって釘を刺されたからな」


 何か嘘で繕ってもいいが、どうせフローラにも聞くだろうしそこで嘘をついたとバレるだけだろうから、こう言った方がいいだろう。


「僕が聞くのは駄目ですか?」


 カズキかぁ……。どうだろう。ヘレンには話すなと言われてるし言うつもりはないが、カズキには話してもいいのではないのだろうか。あー、アネラがどうかで決めるか。


「アネラに聞いてみてくれ。それでOKが出るなら話す」


 一応精霊同士の会話だったのだ。精霊の意見を聞いて伝えた方がいい。


「僕が聞いてもいいそうですよ。セリーヌさんもいいと言ってるそうです」


 セリーヌがいいと言うなら話すか。まあ、この場は生徒がいるから後でだな。


「話すとしても戻ってからな。ここだと、聞き耳を立てる奴が沢山いるだろうし」


 特にエリとヘレン。エリが面白そうな事を聞かずに終わるわけがないし、ヘレンには内緒なのにカズキには話すとなったら意地でも内容が気になるだろう。


「そんじゃあ、俺とカズキはもう戻るから。俺たちが帰ってきた時、どれくらい強くなったか楽しみにしてるからな?」


 用事は済ませたので、即退散だ。俺たちがいると狙われる可能性があるからな。"転移・改"で荒野に戻る。


「おかえりー。って、え?」


「意外と早かったの。ん?」


「何してきたんです?あれ?」


 とりあえず、女性陣に言葉を返す前に"自己空間(プライベートルーム)"を発動させておく。


「ただいまっと。っと、如何した?変な顔して」


 女性陣に言葉を返したら3人とも微妙な顔をしていた。何なんだ?


「……シン、後ろ、見てみなさい」


 は?後ろ?と思って振り返ってみればそこには眩しい眩しい綺麗な笑顔を浮かべた我が妹、五和さんがいらっしゃった。


「はい?」


 おかしいな?俺は五和を指定していなかったはずなんだが?幻覚か何かかな?


「シン、それは本物の五和ちゃんでしょ……。何で連れて来てるのよ……」


 あ、やっぱり本物ですよね……。にしても、一体どうやって付いてきたんだ?俺にバレないようになんて……。


「ってあれ?カズキはどうしたんですか?」


「えっ?」


 周りを見たらいつの間にかカズキがいなかった。まさか……。


「五和、まさか、カズキの枠で付いてきたのか?」


「お兄ちゃんに会えないのは寂しいから……」


 というかどうやって入れ替わったんだ……。それよりとりあえずカズキを回収してこないとだな……。で、五和を送り返そう……。


 カズキを回収するために再度"転移・改"で学院まで行き、今度こそカズキを回収して、五和を置いて戻って来る。


「……おかえり、五和ちゃん」


「なんだと!?」


 しっかりと置いてきたはずなのに、五和が付いてきていた。何だこれ。怖い。どうやってるのかわからないから怖い。


「送り返せ無いならここに置いとくしかないの」


 ……俺たち、これから危険な事に巻き込まれるのに、五和、どうしよう……。

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