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125.精霊との話①

(セリーヌ様!なんで人間と契約しているんですか!)


(私も精霊ですよ?契約くらいしてもいいではないですか)


(セリーヌ様の立場の問題です!セリーヌ様は御自分の存在を何だと思っていらっしゃるんですか!?)


 ふむ……。アネラがそこまで言うなら結構な立場の精霊なんだなぁ。それが剣に宿っててしかも王都の武具屋にあったって……。


(私は私を一精霊としか思っていませんよ?)


(セリーヌ様がそれだから邪神なんて精霊が生まれてしまったのではないですか!?)


(……アネラ、それは何処で?)


(え……?シンさん、ですが)


 あ、まずい。これ巻き込まれるやつだ。退散退散っと。


(シンさん、聞いているのはわかっていますから、すこーし、お話ししませんか?)


 あ、退散出来ないやつですよね、はい。


(なんだ)


(……何処で知ったんです?)


(実際に邪神になってみただけだ。それで邪神の情報を得た。だから、殺そうと思えば殺せるぞ?)


 俺の変身能力に隙はない。どんな存在にも変身出来るこの能力、当然邪神にさえなれる。その時に邪神についての色々な情報は得た。やろうと思えば完膚なきまでにボロボロにして殺す事だって出来る。


(次、邪神を殺すなんて口にしたら、私が貴方を殺します。今、ここで)


(ほう。出来るならやってみて欲しいもんだがまた今度だな。で?なぜ殺しちゃいけない?セリーヌ、お前と邪神の関係は?そもそも、お前の立場は何だ?ただの上位の精霊が様付けで呼ばれるなんて事ないんだろ?)


 精霊に変身しているからわかる。精霊は微精霊の他に下位精霊、中位精霊、上位精霊が存在する。基本、上に行く事に精霊としての力も強くなる。セリーヌは自らを上位精霊だと言ったが、そうではない。それだけなら様付けでなんて呼ばれない。いくら力が強かろうと、精霊は精霊。下位精霊が上位精霊を様付けする事はない。アネラは中位精霊のようだが。


(巻き込んだのはそっちだぞ?こっちが退こうとしてたのを止めたんだからな。答えてもらうぞ)


(わかりました……。ただし、ヘレンには内緒にしておいて下さい。彼女に明かすには、まだ早過ぎます)


(そのくらいはこっちだってわかってる)


 盗み聞きして巻き込まれたのに何をと思うかもしれないが、セリーヌが俺を呼び止めたのだ。話すくらいはしてもらわなければ、話に入れない。


 そして、セリーヌの正体だが、ヘレンに明かすつもりはない。ヘレンは普通に力がある精霊くらいにしかセリーヌを認識していないはずだ。余計な混乱を招く事はするべきじゃないからな。


(はぁ……。私は、精霊神。精霊をまとめる存在なのですよ。今の上位精霊はほとんど私が生み出した精霊達ですし、このアネラも私が生み出した精霊です。知っている精霊なら私の事を様付けで呼びますね)


 ほう。精霊神ときたか。精霊の神。様付けにも納得だ。一番上の存在なんだしな。


(私と邪神の関係は、そうですね。親と子、でしょうか。もちろん、私が親ですよ?アネラ達同様、彼も私が生み出したのです。でも、彼は本来の精霊の形から逸脱してしまった。そんな彼でも、元に戻す手段はあるんです。だから、殺すというのなら、精霊神の力をもってシンさんを殺します)


 なーるほど。こりゃ面白い。


(話はわかった。だが、戻す手段があるなら何故早くそれをしない?邪神が存在してから少なくとも50年以上は経ってる事を知っている。その間、何をしていた?)


(貴方は知っているでしょう。私が剣に宿っているのを。私が邪神が誕生してすぐ行動に移さないように見えますか?)


(普段の感じだと見えると思う)


 ヘレンと一緒のセリーヌは、なんというか、ヘレンをからかって遊んでいるように見えるからなぁ。


(……ヘレンの時は楽しんでるだけです。私はすぐに行動に移しましたよ。ちゃんと、彼が精霊に戻るように使おうとしたんです。その時に、剣に閉じ込められてしまいまして)


(で、剣のままだとほとんど何も出来なくて、俺とヘレンが見つけるまで、ああして武具屋に並んでいた、と)


(う……)


 精霊神がそんなんでいいのかとは思うが、まあこれでセリーヌの事は大体分かったかね。

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