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124.約束は守る

 そうだ。アネラの願いを叶えてやらないとな。とすると、一度学院に戻った方がいいか。その時に五和の様子や生徒達の様子も見ておこう。連れてくのはカズキだけでいいか。アカネとクーでハナを守ってもらえば大丈夫だろ。クーも創造魔法が使えないだけで"アウロラ"は使える訳だし。アカネも魔剣を犠牲にすりゃ使えるしな。


「カズキ、学院に用があるからちょっと付いて来てくれ。アカネ達は先に荒野に戻っててくれ」


「僕ですか?いいですよ」


「わかったわ」


 はてさて、アネラはフローラと一体何を話すのかねぇ?


 学院に戻り、ヘレン達を探そうとしたらちょうど休み時間だったのか、みんなで武道場に向かっているのを見つけた。


「おお、よかった。元気かお前ら」


「シン先生!急な出張って言われて、アカネ先生も勇者の活動があるって言われて、クラスが解散になっちゃったんですよ!」


「ごめんな。でも、俺たちが戻って来ればまたクラスは元に戻るからそれまで我慢してくれ。今回はちょっと用事があって戻って来ただけで、出張の方はまだかかるんだ。ごめんな」


 アカネの方は勇者活動、俺の方は出張になっているらしい。俺の方も勇者活動でよくないか?それに教師の出張って大抵1日で終わるイメージがあるんだが。


 まあ、エリが元気そうで良かったよ。こいつが元気ならみんなも元気だからな。


「お兄ちゃん、用事って?私に出来る事?」


「いや、今回の用事はフローラに、だ」


「フローラにですか?」


 多分、五和はお兄ちゃん系統の物を生成するのが用事だと思ったんだろうな……。きっとその目的で使う事は一度もないだろう。


「ああ。ちょっと、な」


 ヘレンにフローラを呼び出してもらう。


(どうもどうも。シンさんお久しぶりですね。それで、私に用事とはいったいなんでしょうか?)


「ああ、アネラが話をしたいらしい。というわけで、カズキ、アネラを呼び出してくれ」


「え?あ、はい」


 アネラを呼び出してもらう。


(ちゃんと、約束は守ってくれるのね)


「まあ、約束だしな」


 約束事ってのは守るためにするものだ。破ったら意味がない。それに次も何か頼む時、前回約束を守ったという実績があれば素直に聞いてくれるだろうという考えもある。まあ、その時にはまた別の約束事を取り付けられそうだが。


(アネラね。精霊同士でお話しするのは久しぶりなの。すこーし、人には聞かれないようにしますね)


(はい、お願い致します)


 優しい風がふわりと吹いた感じがした。それだけでフローラとアネラの声がシャットアウトされ、こちらから声をかけても反応を示さなかった。


 ふむ。人には聞かせられない話か。気になるな。精霊になれば聞けるだろうし、聞いてみるか。

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