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120.エネドラ戦④

 聖剣での時間稼ぎを終わりにして、精霊を殺す準備を始める。


「"地にありしは無限の大地"」


 流石に無詠唱という訳にはいかず、詠唱を開始する。詠唱をし始め、それが危険であると察知したのか、カズキとハナに向かっていた手が全てこちらに向かって来た。


「"天にありしは無限の大空"」


 紫色の手が触れそうになるが、聖鎧が光り輝くと私の周りに幾十もの障壁が展開される。その障壁が紫色の手を食い止める。一枚破られては一枚再生し、と障壁が紫色の手を通す事はない。


「"時は経てども二つが交わる事はなく"」


 紫色の手だけでは無理だと判断したのか、エネドラ自身も障壁を殴りつけてくるが、障壁が破れたら再生するのは変わらず、突破は不可能。


「"二つが交わる時、聖なる封はその身を解き放つ"」


 こちらの対処が無理だと悟ったのか、全ての紫色の手をカズキとハナに再度差し向ける。しかし、それすらも障壁に阻まれる。


「"封を破るは聖の力、封されるは邪の力"」


 聖鎧の障壁によってエネドラは全ての行動を阻害される。


「"我が望むは封する術"」


「"精霊を封じ、解き放て"」


「"封印術・天地邪封"」


 魔法が完成すると透明な石が出現し、紫色の手が全て透明な石に飲み込まれていく。その後、聖鎧の障壁が石に張り付いた。紫色の手を飲み込んだからか、石の色は紫色になっていた。


「封印完了。その次にっと」


 亜空間から大量の魔剣を引っ張り出し、石を囲っていく。障壁が石に張り付いたため、エネドラの動きを阻害するものが無くなったが、紫色の手が無くなった事によりカズキ達が復帰。エネドラを抑えてくれている。


 石を囲ったのは基本属性である火・水・土・風の4つと光・闇の2つの6つ属性の魔剣達。


「"アウロラ"」


 魔剣が輝きを放つ。その中心にあった紫色の石は徐々に色を失い、薄くなっていく。


 "アウロラ"とは精霊をも殺す光のことだ。基本属性の4つが混ざった場合、魔力爆発が起こるが、そこに光と闇の属性を加える事によって出来る殲滅の光。少しでも触れればそれが人であろうと、龍人であろうと、獣人であろうと、精霊であろうと、全てを殺す。


 ただし、"アウロラ"のことを知るのはほぼいない。使える者もそうそういない。基本属性は全部覚えようと思えば覚えられる。だが、それにもそれなりの時間が必要だ。そして、光と闇という才能が無いと無理な属性も必要なため、出来る者は限られているのだ。


 今回、アカネは魔剣に付与されている属性で補う事で"アウロラ"を発動させた。この方法も全て教えてもらったものだ。属性が自分で使えないなら付与されているもので補えばいいと。


「本当に、出来たのね」


 石から色は消え、石自体も粉々だ。しかし、紫色の手は出てこない。精霊を殺せたのだ。


「カズキ!やっちゃって!」


「"精霊術・風奏閃"」


「がっ……」


 剣から風が迸る。その風がエネドラに当たるたびに血飛沫が飛び散り辺りを赤く染めた。


「"重力牢"」


 ハナが重力の牢を作り出し、エネドラが囲われる。


「その"重力牢"はかなり魔力を使用して作りました。ある程度なら耐えられますので、これで確保完了です」


 "重力牢"は中々の力作らしい。胸を張ってるもの。ま、これでこっちは一件落着って所かしらね。シンの方はどうなってるのかしら。

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