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11.王と会うだけ

 あの荒野での別れ、旅立ちから5日後。やっとの事で大きな門と壁に囲まれた都市に到着した。


「やっと、王都か………」


 俺の呟きにアカネが反応する。


「この世界には車とかないからねぇ……。歩くしかないんだよ……」


 魔法で飛んでいく、魔物になって飛ぶなんて手段が俺にはあったが、魔法の方は2人を飛ばせず、魔物の方は乗せたら飛べずという具合で飛ぶとしたら1人だけでしか無理だったのだ。王都までの道のりを知らない俺は諦めて歩くしか選択肢がなかった。


「なんか開発とかしなかったのか?」


「一応、したっちゃしたかなぁ……。あれは失敗作だけど……」


 失敗作か。今度どんなものか見せてもらおうかね。


「それにしても、なんでヘンリはあんな平気そうなんだ……」


「あれでも騎士団長だから体力はあるんだってさ……」


 魔王を倒したり邪神を封印したりする勇者より体力があるって化物かよ……。

 門に近づくと兵士が1人立っていて、こちらに声をかけてきた。


「どうも、お疲れ様です!」


「ああ、今戻った。これから私達は王様と謁見してくる。仕事は任せた」


「はい!」


 ふむ。なんか騎士団長らしい所を初めて見た気がする。5日間ずっと役立たずだったし……。





「よくぞ、参った。異世界人よ。歓迎しよう」


 王城に着いて、この国の王に初めて言われたのがこれだった。


「えっと、俺はシンです。よろしく」


「んで、王様このシンだけど、勇者として私の仕事一緒にやってもらう取引したから。よろ〜」


「む、勇者だと?アカネ殿どういう事だ?」


「シンの能力は変身なんだってさ。それで、シンを召喚した子の罰則を無しにする条件を呑むなら勇者として働いてもいいって」


「変身能力だと!?あの伝説のか!?」


 ヘレンは文献でしか見た事がないって言ってたっけな。この王の反応からするに本当に凄いのか。


「私の確認済みだから本当だよ。それで、さっき言った通りだからシンと召喚した子に手を出しちゃダメだよ?」


「む……わかった。アカネ殿がそう言うならば、そうしよう」


 アカネの言う事素直に聞いてるし、この国、実質トップってアカネなんじゃないか?そんなんでいいのか王よ……。


「それじゃ、私仕事放り出して今回の件当たったからすぐ戻らなきゃだから、じゃあね」


 アカネが俺の手を握ってそのまま出て行こうとする。


「ちょ、待てって。そんな雑でいいのか?なんか他にも」


「いいから付いて来る!」


 無理矢理引っ張られ俺はそのまま王城の外に出されてしまった。



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