表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/151

109.助けに来た

 学院に戻ると、生徒と教師、学院長は避難済みで、カズキとハナが翼のある男と交戦していた。


「ハナ!無事か!」


「なんとか!でもまさか私が狙われるとは思わなかったですよ!」


「俺もだよ!」


 目の前の男はあっちに置いてきた男のように翼が生え、肌が黒かった。クーが見たと言っていた二人のうちのもう一人だろう。


「何をしているんだ。失敗しているではないか」


 俺がここに来たという事は囮に失敗したということ。


「これは一度退却だな」


「させると思ってるのか?」


「いいや、そうは思わん。だが、出来るさ」


 相手の身体が影になる。そして一つ一つ、小さく分かれていく。


「それが手か。だが、それもどうせ魔法・・なんだろ?」


 一緒にいるハナとカズキには悪いが"全て無に帰す無情の世界"を発動させる。それだけで、影は一つに戻り、男の姿を取っていく。完全に戻った所ですぐに解除した。


「なんだと?」


「で?何が出来るんだ?」


 魔法であるならば使えなくなればいい。相手にはこの魔法を詳しく知るのは不可能だ。


「何回でも試せよ。何回でも止めてやる」


「止められると分かっていてやる馬鹿もいないだろう。だから、ここはもう一つの方法を取らせてもらうぞ」


「へぇ?」


 もう一つの方法ねぇ。いったいどんな事だ?


「全員倒して、目標を回収する」


 倒す、ねぇ。


「無理だろ」


「そうでもないぞ」


「がっはっ」


 そう言った瞬間に隣のカズキが壁に激突した。それに続いて俺の身体も壁に激突する。


「なっ」


 今、何をした?何にも認識出来なかった。


「先程までの身体の重みがない。私が逃げようとした時に消したようだな。だが、それが失敗だったな」


 くっ、重力負荷がかかってたのが俺の"全て無に帰す無情の世界"のせいで消えたのか……!


「ハナ!逃げろ!」


「何処へ逃げたって追ってきますよ!だったら戦いますって」


「むっ?」


 うっ……こりゃ重力負荷か。かなり強めだ。しかも武道場全体だ。


「ほう、先程の重みがまた来たな。だが、一度使ったものをそう何度も使わない方がいいぞ?」


 重力の発生源である"重力球"を影で狙われる。だが、そう簡単には壊れない。


 俺もすぐに復帰し色々魔法を放つがどれも有効打には程遠い。自分に効かないと知ってかこちらを無視し、"重力球"だけを狙い続けている。いくら硬いといってもあのまま攻撃され続ければいつか壊れるぞ。


「シンさん、あれ、やります」


「マジか?」


「マジです。カズキの精霊術なら少しは効いてるような感じでしたけど、今は伸びてて使い物になりません。決定打が無い状態です」


「それは分かってるが……」


「いいからやる!」


 しょうがない。"自己空間"へハナと相手をご招待だ。その後に空間設定で空間影響力を10倍くらいに設定する。


「なんだここは?」


 相手は罠を警戒しているのか動かない。ありがたいこって。


 ハナがそこに重力負荷を叩き込む。全体へ。先程の武道場の時と同じくらいの負荷だ。しかし、設定した効果で10倍も効果が上がった負荷だけどな。


「ぐっおぉ………」


「ひっあっくっ………」


「こん、の……」


 全員が押し潰される。ハナも男も俺も。だが、辛うじて俺が動ける。設定内容で少しだけ影響力を少なくしているからだ。


「くたばれ!」


 "自己空間"内で出来る事を全て叩き込む。剣技も魔法も精霊術や結界術なんかも全て。


 それでもまだ五体満足。どんな防御力だってくらいに硬い。硬すぎる。


 10倍もの重力負荷に耐える耐久力、既存の魔法等がほぼ効かない防御力、カズキを一発で倒せるくらいの攻撃力。チートもいいところだぞ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ