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105.敵の正体を考える

「にしても、人型で翼があるってどんな敵なんでしょう?魔物だとしたらクーさんのように知恵はあるでしょうし、人だとしたら翼はなんなのか」


「ゲームとかなんかでは魔族っていうのがそれっぽい感じはするが、アカネ、魔族なんていないだろ?」


「ええ、いないわ。異種族でいるのは龍王のとこに龍人、獣王のとこに獣人ってくらいだし」


「獣人に龍人か。そんなのがいたのか」


「ええ。基本出てくることはない種族だから見かけないけどね。でも、翼が生えているって所は龍人が可能性としてはあるかもね」


「どんな奴らなんだ?」


 龍人。龍王が治めている国に属する国民であり、その姿は人型だが、背中に翼を持ち、身体には鱗がある。しかし、強者は翼も鱗も出さず普通の人のように暮らしているとか。龍王は常に龍の姿をして城で寝ているらしい。


「ふぅむ……。話を聞く限りとしては龍人は怪しいな」


「でも、龍人はみんな優しい人達ばかりだし、こんな事してくるようには思えないのよね。獣人は人の事を嫌ってるけど、翼があるにしても腕にだし」


「どっちも違うと?」


「私の勘とこれまでの経験でね」


 これでもアカネは色々と足を運んでいるし、魔王だって倒している。信じるに値する。


「それならば、魔物って事でいいんですか?」


「クーみたいな魔物がそうそういるか?」


「結構いますよ?話せる魔物」


 今度はハナか……。こいつはこいつでかなり長く生きてるからな……。


「どのくらいだ?」


「クーちゃん含め、今まで会ったのだと20匹程ですね」


 20匹……。多いとも少ないとも言えないような数字だな……。


「その中で人型の奴とかは?」


「いませんよ。クーちゃん以外」


 ふむ……。


「まだ見つけてなかった喋る魔物、または新しく誕生した魔物が今回の騒動を引き起こした?」


「今の所、その線が一番かしらね」


「魔物は話せても基本人を襲う。私のようにな。だからそれが一番怪しいところだの」


「なら魔物ということで。魔物なら斬れます」


「話せる魔物はちゃんと話せば仲良くなる事も出来るんですけどね……。流石に今回のような事件を起こしてはそれは無理ですね」


「そんじゃ一応敵は魔物を想定としておく。王とヘンリの護衛はクーが影に潜んで担当。随時黒結石で連絡。今回はこんなもんか?」


「そうね。後はやっぱり敵が尻尾を出してくるのを待つしかないわ」


 結局の所後手に回るって感じだな。色々対策を講じておいた方がいいな。


「そんじゃ解散。ありがとな」


「あ、シンさん。私から質問が」


「ん?なんだ、ハナ?」


「いや、その、こんな事が起こったわけですけど、学院には知らせない訳じゃないですか。私達、五和さんのクラス決めをかけた戦いありますよね?」


「あ……」


 やば。そうか。リーさんに伝えないってことは学院は平常運転になるのか。


「……ここ数日よりさらに厳しくいくぞ」


「……マジですか?」


「マジです」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 ハナは絶叫した。

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