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99.騎士団壊滅

これで合計100本目ですが、99話目です。

 禁止級魔法の"退廃の風(ロストウィンド)"が吹き荒れる。発生源は俺の手。騎士団はその風に半分以上、存在を削り取られた。血すらも削り取っているため、地面が赤く染まる事はない。


「な、な、な、なんだ今のは!」


 側から見れば、風が吹き、その風に触れた者が一瞬で消え去ったように見えたはずだ。


「半数に分かれろ!一方は消えた者達の捜索にあたれ!」


 どうやら、"退廃の風"を理解していないらしい。まあ、禁止級魔法は使用はおろか教える事すら禁止される危険な魔法だ。知らないのも無理はない。


 ただ、ここで半数を何処かへ移動させる程、俺は甘くも優しくもない。


 地面から土がせり上がり、巨大なドーム状となり、俺と騎士団全員を覆っていく。


「逃すと思っているのか?」


 月の光が無くなり、辺りが暗闇に包まれる。すぐに騎士団によって明るくなっていくが、何を馬鹿な事をと言いたくなる。暗闇に乗じてドームの壁を破壊、逃げればいいものを。まあ、この暗闇の中であろうと俺にははっきりと見えているから意味はないが。


 "退廃の風"以外の禁止級も使ってやろうと思い、禁止級土魔法"鉄処女(アイアンメイデン)"を使用する。土が鋼鉄のように硬く形を形成し、内部にトゲのある拷問器具が完成する。横に鎖があり、鎖を兵士に巻きつけ引っ張り、内部に閉じ込められる。悲鳴は聞こえないが、全ての"鉄処女"から血が溢れ出している。


「なんで、なんで、なんで!それは禁止級のはずだ!」


 騎士団の一人が叫ぶ。"退廃の風"は知らないのに"鉄処女"は知っているのか。


「知ってるんだな」


 まあ知ってようと知ってなかろうと関係ない。容赦無しに変わりはないのだから。しかし、一人は残す。情報を得る為に。それなら今の禁止級も知っているやつが丁度いいだろう。


「ターゲット固定、ロック、鉄槌」


 先程の声を上げた者以外に狙いをつける。その狙いを固定化し、土魔法による鉄槌を上から落とす。


 これで1人以外全員が死んだ。周りが突然死に、一人残された者は倒れ込んだ。見れば気絶をしている。


「ま、別に気絶していようがいまいが関係ない。弄るだけだからな」


 相手の脳内を探る。必要そうな情報を引き出す。後は殺す。


「さて、王様もヘンリも無関係と分かったし、とりあえず今回の報告の為に城に行きたいが」


 上を見る。土魔法のドームに覆われているが、視線を感じるのだ。ここに来てから、ずっと。


「ドームがあるのに視線を感じるって事は透視か何かか。魔法を解いて探るか」


 ドーム状の土が地面に戻っていく。相手にこちらが気付いていると悟られないように気配を探り、上空にいる事を知覚する。


「……蝙蝠か。こいつの目を通して見てるのか?」


 とりあえず飛んで掴み、死亡させる。


「視線は感じなくなった。これで大丈夫だな。さて、城に行くか。アカネもいるだろうしな」


 今回の黒幕的な存在がいるのをこの蝙蝠から判断し、城へ転移した。





「だから言ったじゃないですか〜。近すぎるって〜」


「あれぐらい近付かないと見えんのだからしょうがないだろう。しかし、彼奴は化物か」


 蝙蝠が飛んでいた場所よりさらに上空に二人の男性がいた。肌は黒く、さらにその背には漆黒の翼を生やしている。


「禁止級魔法を普通に使ってましたからね〜。それに蝙蝠を始末した事から、誰がって部分はバレてないですけど、裏で糸を引いてる事はバレちゃいましたよ〜」


「それくらいならバレても問題はなかろう。彼方には手を出す事は出来んのだから。それよりも、あの結果だ。成功していたのか?」


「成功成功大成功ですよ〜。洗脳や催眠みたいに意識を手放す事なくあの勇者と戦っていたのが証拠ですよ〜。まあ戦っていたというより一方的な虐殺みたいなものでしたけど〜」


「感情操作、しかも深部に介入する魔法だったか。あくまで自分の中の感情に従い行動するから催眠や洗脳のように無条件にこちらに付くというわけではないが、なかなか悪くないな」


「でしょう〜?頑張って開発した甲斐があったっていうものですよ〜。とりあえず、今回のプランはここまでですし、帰りましょ〜」


「ああ、そうだな」


 二人の男性はその翼を大きくはためかせ、何処かに去っていった。

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