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2.ものがたり
二十歳になった私は、舞い散る色鮮やかな木の葉の中を、分厚い本を片手に歩いていた。
騎士と、恋と、ちょっぴりの魔法と。
そんなファンタジーが大好きで。
昨日寝るのも忘れて読み切った本を片手に、新しい物語を求めて図書館への道を歩む。
その繰り返しの毎日。
でも、そんな、誰かにとっては“つまらない”毎日が、私にとって最上の幸せだった。
お金はまったくかからないから、何も心配しなくていい。
ただ、ふわふわできらきらの世界 ――もちろん悪役や危険は登場するけれど―― にひたすら浸って。たくさん想像して。いろんな夢を見て。
ホントウノセカイ。
私にとって、それは本の中にあった。
はっきり言えば、“現実”なるものに、何の未練もない ――― はず、だった。




