表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: 高草木喬

 陰鬱とした空気が街に漂っていた。正しくは、私を蔽っていた。


 十月の東京のにわかに乾いた風は殊に寒さを、そして暗鬱さをも伴い、立ち込めるどうしようもない気持は私をひどく悩ませていた。

 また、どうにもなくなり見上げた落日の秋空は殊更に私の寂寥を強め、斜光を受け十尺ほどに伸びた影を見ると、私の足は自然と早まった。



 影は膨張を続け、直線状に在るあらゆる物を飲み込んだかと思うと然し、一転して闇に融けていってしまった。

私は、無性に哀しくなった。



 空に遺された雲もまた、私だった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちと短いですが、 とてもお綺麗な文章です。 綺麗なら良いというものではありませんが、最後の一文にハッとするような気持ちになれたので、良作とだと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ