誰もがみな天才なのである
第4回目の投稿です。
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俺は天才ではない。所謂凡才という属性にいるらしく、何をやっても中途半端である。勉強だって、今部活で励んでいる卓球だってそうだ。
一年の時に市大会で三位に入ったぐらいで、それから先は何もない。中途半端、勉強だって中の中。得意教科は無くて、どれも普通。そんな自分が俺は嫌いだった。
放課後どんよりとした気持ちのまま、部活に向かう。
「おーい正人。どうしたんだよ、そんなぼーっとして」
こいつは優斗。小学生のころから卓球をしていて、所謂天才属性の輩である。
「いーや、なんでもないよ」
俺はそう言い放った。こんな輩に相談したって俺の悩みがわかるはずがないと思ったからだ。
「おいおい、そんなことないだろ」
「ほっといてくれ、君みたいな天才にはわからない悩みだからな」
優斗は少しカチンときたらしく、
「なんでそんな言い方しかできねえんだよ。誰が天才だって? ふざけるなよ。俺は天才だと思ったことなんかねえよ。全国大会なんて行ったら俺なんて下の下だぜ。それに、俺は正人には別の才能があると思うぜ」
「別の才能だと?」
俺は聞き返していた。
「お前はなんでもそつなくこなせる、呑み込みが早い。一年生の時に市大会で入賞したのがいい証拠だ。それは呑み込みが早くて、教えてもらったことをいち早く自分の物にできるからだ。君の呑み込みが早いという才能は天才に近いと思うぜ。だからそこからさらに進化することが大事だと俺は思う」
自分にそんな才能があるとは、思ってもみなかった。そして優斗がそこまで俺のことを見ていたということにも驚いた。
「優斗、俺の事そこまで見ていたのか?」
優斗はにかっと笑って、
「お前のこと、幼稚園の頃から見ているんだから、当たり前だろ。俺たちは幼馴染だろ」
俺と優斗は一緒に卓球場へと向かった。
俺の心にあった曇りは消えて、空と同じように晴れ渡っていた。
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